Bエンディングとストーリー考察


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前回Aルートクリアまでの日記を書いたので今回はBルートクリアの感想日記です。Bルートはカイネ編となります。 今回も盛大にネタバレ要素がありますのでご注意ください。

カイネの過去

Bルートは青年期、カイネの石化を解くところからスタートします。神話の森の時のような小説調で、カイネの幼少期から青年期までが語られます。

わかってはいましたが、崖の村の人々からかなりいじめられていたみたいですね。最初はマモノ憑きではなくただの両性具有だったようですが…。子供だけでなく大人にまで好奇の目に晒され見捨てられ気味悪がられていたのはかわいそうでしたね。

ある程度大きな街なら「よそはよそ、うちはうち」な考え方の人もいそうですが、村社会での閉鎖空間ではなんでも伝染するというかなんというか…。分別のある大人は薬屋のおっちゃんだけだったようですね。カイネがおばあちゃん子なのは既に周知の事実ですが、過去の話をみてるとそりゃおばあちゃん子になるわ!ってなります。口が悪くなってしまったのもおばあちゃん譲りのようですね。

カイネの両親が死んだ経緯については語られていませんが、果たして両親はカイネのこと愛してあげていたんでしょうか。地味に私はそこが気になりましたが語られなかったのでわからず仕舞です。

おばあちゃんの死にざまと、カイネがマモノ憑きになるところは壮絶ですね。マモノ憑きになったのもこの頃だったのは意外でした。てっきり元からマモノ憑きか、病気でなったものとばかり思ってました。

しかしカイネに憑いたテュランはどこから来たんでしょうかね。ずっと近くで人間を乗っ取る機会を伺ってたんでしょうか。わりと乱暴な性格ですしカイネは両性具有なので、テュランがカイネのオリジナルだったらおもしろそうなんですが。ただニーアもヨナもオリジナルと名前が一緒なので可能性は低そうですねぇ。

マモノの声が聞こえるBルート

Bルートは基本Aルートとかわらないんですが、カイネがマモノ憑きということで、マモノの声が聞こえるようになります。雑魚は今まで通りですがボスなどはすべて喋ってる言葉がわかるようになります。それに伴いAルートにはなかったマモノ側のムービーも見ることができます。

Aルートでもなんとなくマモノが言語を話していることは理解してましたが、Bルートでは完全にその意味を理解できるようになります。ICOの2週目を彷彿とさせる展開ですね。

前回の日記で何故カイネは魔王城のイノシシのマモノに「許してほしいなどとは思っていない!」って叫んだのだろうって話をしたんですが、今回その理由がここにきて理解できました。カイネにはずっとマモノの声が聞こえていて、その声に反応して会話していたんですね。

今まで無慈悲にマモノを殺しまわっていたニーア達ですが、マモノの声が理解できるようになったため
Bルートではマモノにはマモノ側の事情があったことがわかります。そのためAルートとは違い純粋にマモノを殺せなくなります。

また、マモノはもともと人間なわけですが、ここで一部の名前も判明します。

白の書を守っていたのは「ヘンゼル」と「グレーテル」、ロボット山のP33と一緒にいた子は「クレオ」。崖の村についてはマモノの集合体のためか名前はなく、狼については人間でないせいか「リーダー狼」という名前で登場します。一番気になっていた神話の森については名前は判明せず、残念。

カイネにはマモノの声だけでなく、自分の内にいるテュランの声もきこえています。基本ガン無視しているようですけどね!まあ会話してたらニーア達に怪しまれるので正しい選択でしょう。嫌いだから会話しないって理由が大きそうですけども。

ピーちゃんとクレオの話は胸が苦しくなる

ロボット山ではP33とクレオのストーリーが新しく追加されています。

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冒頭ムービーをみるに、ボス級のマモノだけではなく雑魚マモノにもきちんと知性があるようですね。

マモノを追いかけまわしてる身としてはクレオとお母さん、そしてクレオとP33の会話に胸が痛みます。ロボット山の兄の死因はAルートでも事故なのは明らかなんですが、Bルートでもあれは事故であり、弟君は完全に勘違いの逆恨みしてるだけというのがわかります。

ここでロボット山の人間とマモノ(機械)の関係は完全に同じということに気づきます。機械に肉親を殺されてしまったロボット山の弟と人間に肉親を殺されてしまったクレオ。種族(?)が違うだけで、立場は実はまったく同じだったのです。

おまけに今回兄弟の兄の死にP33は関与していないにも関わらず、弟に逆恨みされるわ平和に暮らしたいだけなのにニーアに襲われるわで、やってて「ごめんよ…ごめんよ……」という気持ちになります。

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AルートでなんでP33は最後「脱出。外の世界を見る」って言ったのか疑問だったんですが、Bルートでクレオを守るためであり、約束を果たすためであったこともここで明かされます。

また、P33戦でニーア達が「ロボットから倒そう」と言ってるのに対し、カイネだけ「マモノを倒すんだ!」と言っていた理由もここで判明します。クレオの声が聞こえていたからどうにかしたかったんでしょうね。

ロボット山のBルートエピソードについては

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オートマタの上記兄弟ストーリーを思い出してしまうため、このシーンで泣きそうになった涙腺の弱い私には堪える展開でした。

狼にも狼たちの事情がある

仮面の街周辺に住んでいる狼たち。Aルートでは村を襲った背景などについては特に明かされずただ単に「凶暴な狼たちがついに村を襲ってきた」くらいの認識だったんですが、Bルートではそのあたりもきちんと掘り下げられています。

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これもAルートで若干察することができましたが、リーダー狼は最初人間と争う姿勢はなかったようです(たしかリーダー狼が暴れてる狼達を撤収されるシーンがあった気がします)。

リーダー狼は他の狼達に「人間は生き物と共存できる」と言い聞かせていいます。そのためリーダー狼はかなり昔から生きており、過去に人間とそういう生活を送っていたであろうことはここですでに想像できます。

それが何故村にまで押し入り人間を襲うまでになったのか……


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もはや完全な人災である。

今まで狼が村に入ることはなかっただろうに、それを「邪魔されないよう念のため殺しておこう」という気持ちで虐殺するから狼たちの逆鱗に触れてしまい襲撃されるまでに至ってしまったのである。

「森を食い尽くし、水を涸らせ、そして我等の命まで奪うか!」と憤怒しているあたり、仮面の街の周囲が砂漠化してしまったのは人間が資源をとりすぎてしまったせいなのかなと思われます。断言するくらいですし人間が居る時代から生きている狼ですから恐らく本当なのでしょう。

ロボット山の時もそうだったのですが、砂漠でも「狼を恨む人間」「人間を恨む狼」という関係図が出来上がっています。ロボット山も仮面の街も、巡り巡った因果応報の結果に感じられますね。ただどちらも生きるためにしている行為のため、善悪は決められないです。

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狼虐殺は流石に人間側が悪いと思いますけどね…。

そして「人間の都合で野生動物を駆逐する」という今回の行為は現代社会でもなんとなく同じものがあると思います。悲しいですね。


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ロボット山ではなんとか堪えてた私の涙腺もここで死にました。

あまりに悲しすぎて普通にちょっと泣いた。やっぱり昔は人間と仲良く暮らしていたんだねリーダー狼…嗚呼……ほんとごめんよ…。おじいちゃん……。

神話の森と崖の村は印象変わらず

ロボット山と仮面の街はかなりマモノ側に感情移入してしまったんですが、神話の森はマモノがでてこないためストーリー変化はなし。崖の村はもともとカイネをいじめていたので今更特に心動きませんでした。

崖の村の住人には特に同情しませんが、人間と共存を選び穏やかに暮らしたかったマモノ側は少しかわいそうでしたね。「あの男がやってくる。女も子供も殺す。どうすれば…」という苦悩が語られるんですが、確かにマモノ側からしたらニーア達はただの虐殺非道の殺人者ですね。

Bルートは本当に色々と考えさせられます。

再び魔王城へ…別の視点からみるオリジナル達の死闘

全ての石板を集めて再び魔王城へ。

舞踏会の場でもマモノ達の言葉が全てわかるようになってるわけですが「ここはヒトの聖域」「私たちの愛するモノの為に」「行かせない」という言葉から、魔王城はマモノであるヒトの最後の砦であり希望であることがわかります。

扉を開けた先の丸いのはまさかの赤ん坊であり「長いこと待って、やっと再生できるのに……」と言っていることから、マモノも人間同様徐々に成長するのか、それとも復活した魔王によって順番に再生されているのか…。

どちらかはわかりませんが「せめてこの子達だけは助けてあげて!」「おねがいします!」の台詞からも、マモノにとっても子は宝というのが伺えます。

カイネの「許してほしいとは思っていない!」という台詞ですが、子守のマモノが発した「無垢なものを惨殺するケダモノめ…許すものか!!」の返事だったことがここで判明します。つらい。

そして仮面の王のエピローグムービーも追加されています。わかってはいましたが…かなしいですね。
家族を守ろうとしたマモノ、そして同じく民を守ろうとした王…。結局はここでもお互い同じような立場であったことがわかります。

ゲシュタルト計画の全貌からの計画崩壊

最終的に魔王であるニーアオリジナルは自分の体を取り戻すことなくニーアレプリカントに討たれてしまいます。2周して色々見直してようやくここでゲシュタルト計画の全貌を理解しました。

「ゲシュタルト計画」とはなんだったのか

未知の病原菌からなる「白塩化症候群」にかかった人類は、病気が直せないため今後も人類を存続するために、魂を身体から分離させることにしました。この分離した魂が「ゲシュタルト」、身体が「レプリカント」になります。ゲシュタルト(魂)を未知の病原菌が死滅した後にレプリカント(身体)に戻すことにより、人としての形にもどりその後も人類を存続させる――

というのがゲシュタルト計画の全貌です。ただ計画遂行中にイレギュラーが発生。一部のゲシュタルト(魂)が崩壊をし始め人間を襲い始めた。ようはマモノですね。

デボルの考察によるとゲシュタルト化した際になんらかの欠陥が生じてしまい、それが原因でゲシュタルト崩壊が起きているのではないか。とのことでしたが、最終的に原因はレプリカントが自我をもってしまったこととゲシュタルトの不安定さからくるものであったことがわかります。

そして崩壊体が増加する一方のため、彼女たちは人類の復帰スケジュールを早めることにしました。人類を再び復帰させるには、「黒の書」と「白の書」がセットでないとだめなようで「黒の書」を復旧させるためには「白の書」の起動が必要であり、「白の書」を起動させるためには解除コードが必要です。

この解除コードが作中の「いにしえの言葉」であり、『白の書起動に伴う■■■の誘導…』の■■■の部分はニーアのことです。石板を集める際、白の書が「誰かに集めさせられているような…」と言っていますがそれは間違いではなく、デボルポポルが誘導して集めていたにすぎなかったわけです。

人類復旧のために「黒の書」の力がいるわけですが、それを使えるのはニーアのオリジナルだけであり、そのオリジナルをレプリカントが倒してしまったため人類を復元させる者がいなくなりゲシュタルト計画は崩壊、人類は絶滅してしまった…。

オートマタでデボルポポルが戦犯として取り扱われているのはこのゲシュタルト計画の監視者であったにもかかわらず、ニーアレプリカントの制御ができず止めることもままならず二人して消滅してしまったためです。ニーアオリジナルも討たれてしまった結果ゲシュタルトをレプリカントに戻すことができなくなったため、最終的に人類が絶滅してしまった……からだと思われます。たぶん!エイリアンもこのあとくる予定なので原因の一因だとは思いますがね。

◆◆◆

見た目は違えど、元はヒトであるゲシュタルトにはもちろん意志があるわけで、しかし自我をもってしまったレプリカントももはやただの入れ物ではない…。

ゲシュタルトからするとレプリカントの自我が死ぬのは必然であり身体を返してもらう感覚なんだと思いますが、事情をまったく知らない自我まで芽生えてしまったレプリカント側からするとそれはただの理不尽な強奪でしかない。レプリカント達に大きな自我さえ拡大しなければこのゲシュタルト計画はうまくいったんでしょうが……。

「抑制された文明の中」などではなく、どこかのシェルターのカプセル内にゲシュタルト達の身体だけ補完しておくとかじゃダメだったんですかね?来るべき日に空っぽの身体に精神を戻せばうまくいきそうなものですが、それだと白の書が起動できないから断念したんでしょうか…。それなら監視してるアンドロイド(デボルポポル)が機を見て起動じゃだめだったんだろうか。まあそう単純な話ではなかったのかもしれませんね。

「白塩化症候群」が発生した原因

ちなみにこの「白塩化症候群」が発生した原因ですが、青年期の図書館1階にいるおじいちゃんに話しかけてみると
  • 世界が滅んだのは気象変動などではない
  • 空から何かが降ってきたから滅んだ
  • そしてそれは世界を「塩の街」に変えた
といった感じで、病原体の原因が何であったかを教えてくれます。

初代DODのEエンディングで東京の空に「母体」と「アンヘル」が現れ最終的にどちらも死に、死んだ際空に色々まき散らしながら落下するため、その際の飛散した何かが病原菌になってしまったようです。

次はCルート!

Bルートで青年期のクエはすべてクリアし(3個しか未クリアなかったけど)武器を全部コンプしたため、次は武器コンプが前提であるCルートですね!Bルートの最後オリジナルニーアとヨナの場面で終わってしまいカイネの「やり残したこと」とやらが未だに未解決なので、C以降はおそらくそのあたりの話になるんでしょう。

そういえば地味にBのエピローグでエミールもでてきてましたね。あの後どこかに転がり去っていってますが、あれは果たしてニーア達が生きた時代なのか、実は何十年もたった世界なのか…。CかDでエミールのその後も教えてくれることを期待しておこう。

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