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サンティアゴの次は我らが主人公、ヘレナのストーリーを紹介します。調査書の数は合計で30枚です。ヘレナはアイランド→スコーチドアース→アベレーションからの続投となります。まだそちらのストーリーを読んでいない方は是非先に見てから本編を読むことを強くおすすめします。

今回のノートで我々サバイバーがいる「ARK」とはなんぞや??をネタばらししてくれるため、ストーリーを追っているか方は必見です。

読みやすいよう、あくまで私なりにまとめたストーリー内容となりますのでその点よろしくお願いします。原本が気になる方は是非エクスプローラーノートを集めて見てみてくださいませ。

それではいってみましょう!

エクスティンクション編 ヘレナ・ウォーカーのストーリー

(※ )部分はストーリーが分かりやすいよう入れている注釈です。
ストーリーに関する重要部分やゲームのメタ的な部分については太字にしています。

#01

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こうやって書くのは随分と久しぶりのような気がする。ステーションでのロックウェルの件から惑星に到着までの間、私の生活は少しマンネリ化していた。新たに発見した生物のまとめ作業も大した気休めにはならなかった。

今では前のほうが安全だったと考える者もいるくらい精神的に追い込まれている。確かに、彼らの言うことも一理ある。だから私たちはステーションに閉じ込められていたのかもしれない…

幸運なことに、サンティアゴの計画のおかげで時間を持てあますことはなかった。私は技術に関してはあまり詳しくない。巨大ロボットなんてもっての他だ。ただこれまでの経験から考えると、何でもいいから彼らに協力しないわけにはいかない。

#02

本物の地球だとはにわかに信じがたいが、サンティアゴが見せてくれた証拠は紛れもない事実だ。それでも夜がないと混乱してくる。世界の週末を楽しめるなら別だが。地球の自転が遅くなったのだろうか?それとも完全に止まってしまったのだろうか?

いや、それはありえない。大気が制御不能になれば、放棄された建造物は風によって破壊され、あの巨大生物たちは波打つ海や、極端な気候、それに弱くなった重力の影響を受けて全滅していたはずだ。だがもし、頭上にある宇宙ステーションが重力バリアを作り出し、大気を修復することができたら…ともかく今はどんなことでも起こり得る状況だ。

それが彼らの真の目的なのかもしれない。それか最初から彼らがこの混乱の黒幕だった可能性もある。真実がどうであれ、私はそれを解明しなければならない。どんな怪物だろうと真実の究明の邪魔はできない。

#03

サンティアゴが作っている機械は本当に素晴らしい!コントロールを簡略化してくれたおかげで、私のような変わり者の生物学者でもこのデカブツを自分の体みたいに動かすことができる。まさかロボットを動かすことになるとは…完全に人生のコントロールをうしなってしまったようだ。

メイ・インもシンクロすることに成功した。そして一瞬だけだったが、彼女は間違いなくかすかな笑いを浮かべていた。私はメカそのものよりも、それに救われたような気がする。彼女は激しい戦いをくぐり抜けてここに辿り着いた。その内容はあまりにも壮絶だ。

特にロックウェルとダイアナの件はまさに悪夢だった。全てが終わったら、彼女が本当の幸せを見つけられるように力になりたい。彼女にはその権利がある。

#04

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今日はサンティアゴと話をした。内容はいたって真面目だ。彼がコミュニケーションの手段としてよく用いる皮肉めいた冗談の言い合いではない。これには私もかなり驚いた。彼にオフスイッチがあるとは思ってなかった。

彼はステーションで見つけたクローン装置のことを考察していた。私たちクローンは本当の人間なのだろうか?それなら、私たちには彼らの行いの責任があるのだろうか?その目的はなんだったのだろうか?どれも私自身が疑問に思い続けてきたことだ、だがこれまで話し合う機会はほとんどなかった。

それは私たちが決められることじゃないと彼に言った。私たちが本当に責任を持つべきことは、私たちがこれからどうやって生きていくかだ。彼がどんな答えを求めていたのかは分からない。でも今の私にはそれで精一杯だ。

#05

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いつも私のせいで皆が犠牲になっているような気がする。ロックウェル、メイ・イン、ライア、ダイアナ、そして今度はサンティアゴだ。

あのメカを起動させる段になって、ついにあの怪物たちが攻撃を仕掛けてきた。動かせるメカは1つだけだった。だからサンティアゴがそれを使って彼らを遠くへと誘導した。メイ・インと私がスーツの電源を入れて彼らを追い払った時には、すでに彼の姿はなかった。彼の痕跡も見当たらなかった。

あなたの犠牲は無駄にしない、サンティアゴ。あなたが与えてくれた道具があれば、全ての裏に隠された真実をきっと見つけ出せる。そしてあなたを納得させられるような答えに辿り着いてみせる。約束だ。

#06

キャンプ・オメガは使えなくなったため、私たちは荒れ地に向かうことにした。生存者はわずかで残ってるメカは3つーーパイロットは、メイ・イン、私、そしてカズマという短気なUREの男だけだ。つまりサンティアゴがデザインした究極兵器にはなれない。

そうなると、あまりにも巨大な生物やあまりにもたちの悪い生物と出くわした時、面倒なことになる。でも他に選択肢はない。答えは荒れ地のどこかにある。それが安全な場所にあることを願うしかない。

まったく、この操縦というのにはどうも慣れない。ただ私の神経系はこの機会とかなり上手くリンクしているようだ。そして望んでいたとおり、と言うべきなのか分からないが、ついに他の人には任せられないほどの重責を担うことになった。私なら自分の役割を果たせる。ともかく皆の期待を裏切るわけにはいかない。

#07

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この荒れ地にいる変異生物たちは、その奇怪な外見に違わずかなり危険だ。だが今のところメカで追い払うことができている。とはいえ、危険な場面がなかったわけではないが。

ある日、メイ・インが突然何の前触れもなく、いわゆる突進攻撃を仕掛け、死角から攻撃を受けそうになったことがあった。私は戦術などには詳しくないが、あまりにも無謀な行為に思えた。そういったことは初めてではなかった、彼女は常にカズマや私よりも多くの敵を引き受けようとする。

これは別にエゴの問題ではないだろう。サンティアゴがいなくなり、彼女は1人で生存者たちを守るという責務を果たそうとしているように見える。彼女は私がここにいることにも気付いていない。いずれその重責を分かち合える日がくるのだろうか?どうにかして彼女に理解してもらう必要がある。

#08

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曲がりなりにも、メイ・インの説得に成功した人物が、結局戦いに頼らざるを得なかったというのは何とも皮肉な話だ。

私は何度も戦術について説明しようとした。だがほとんどいつも、メカのために考案した私の馬鹿げたタッグチームの動きを彼女に実勢に見せることになった。ドシエ・ドライバー、バイオビースト・ボム、Gデイ・メイト…どれも最高のできだった!彼女が1つも採用しなかったのが不思議でならない。それでも少しは彼女も理解してくれたようだ。

素晴らしい夕食や、ラプトルに関するおしゃべりなどはなかったが、しばらくの間、私たちは島にいたころのような生活を送った。最悪だ。「古き良き日」に導かれて恐竜の住む島に漂着してみると、自分の人生の酷さがよく分かる。だがこれが現実だ…

#09

まさか実現するとは思ってなかった。しかも驚いたことに、それが上手く機能したのだ!

メイ・インがメイ・アイ・ヘルプ・ユー作戦をやってみたいと言った時、頭でも打ったかと思った。でも私たちはそれを本当に実行した。サンティアゴがここにいないのが残念だ。本当に最高の気分だ!

ただ正直に言うと、私はずっと怖かった。私はいつも死を覚悟してあれに乗っている、でもあのメカを降りるつもりはない。いつもメイ・インに頼るわけにはいかない、彼女だけで戦いを乗り切れるわけがない。彼女もそのことを理解してきたようだ。

#10

私の記憶が移植されたものだということは理解している。ただあまりにも鮮明なので、まるでそれが自分のもののように感じてしまう。今でもそれが私の礎になっている。確かに受け入れがたいことだ。でも仕方がない。

私ははダーウィンで育った。海岸線に日が沈み、雨期になると激しい嵐が訪れ、折を見てはカカドゥでボランティア活動をした。私は生意気な奴で、常に大発見を求めていた。でもいつも問題ばかり起こしていた。どうやら今もそれは変わってないらしい。私は今でも新たな冒険を探し求めている。

これが終わったら、この荒れ地で探しものを見つけたら、次はどうする?これが私の最後の冒険になるのだろうか?そうは思えない。

#11

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ここにいない今でもサンティアゴは私たちに力を貸してくれている。前に彼から聞いた、彼が見つけたシグナルだが、どうやらついにそれを捕らえたようだ!私たちは数時間前にそのシグナルを受信した。しかもどんどん強くなっている!

少し作業をすれば、その発信場所を三角法で特定できるはずだ。そこに何があるのかは分からないが、宇宙ステーションやこの惑星の状況に関係している可能性が少しでもあるのなら、調べないわけにはいかない。

これこそが皆が求めていた希望の光だ!私たちはさらに一歩前進した!

#12

何を悩む必要があるんだ?私たちはついに手がかりを手に入れた。それなのに死にたくないからと、洞窟の中に隠れるつもりなのか?

確かにこのシグナルの先に何があるのかは分からない。でもそこに行かなければ意味がない!頂上に何があるのか確かめるにはその山に登るしかないんだ!明日、この件について決を採る。今にも胃がねじ切れそうだ。ここまで来たのに、いくつか手が上がるだけで全てが台無しになるかもしれない。

確かに、投票に負けても1人で行くことは可能だ。だが問題はそんなに単純ではない。メイ・インは間違いなく反対票を投じる。

#13

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全員が私と同じ考えを持ってるわけではない。だからといって彼らが間違っているわけではない。その事実に気づけたのはメイ・インのおかげだ。

何と言ったのかは正確には覚えていないが、この荒れ地で重要なのはあのシグナルだけだというようなことを言った気がする。だが彼女の返答に私は凍りついた。

「あんたの言い方はまるでロックウェルみたいだ」

私は言葉を失った。その代わりに、メイ・インがしゃべり続けた。私とは違い、彼女はここの謎に興味がない。宇宙ステーション、世界の終わり、どちらに関してもだ。彼女の望みはただ1つ、私たちを――私を――守ることなのだ。それ関しては感謝しかない。とにかく、私には…考える時間が必要だ。

#14

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いつもとは逆のことばかり起こる日のようだ。私はじっくり考えるためにコッソリと抜け出した。するとメイ・インが話をするために私を追ってきた。その内容の大半は私たちが話題にすることを避けていた人物、つまりダイアナのことだった。

私の傷口を開いたから、自分の傷口を開いた、とメイ・インは言った。公平な取引には思えなかった。彼女がネックレスをつかんでいる様子と、それをくれた女性のことを笑顔になりながら語っているその姿からは優しさがにじみ出ていた。それこそが彼女の差し出したものだった。決して癒えることない深い傷に抗い続けるには、かなりの意志が必要だ。しかし…

それが一緒に足を引きずりながら前に進むための助けになるかもしれない。それにお互いを支え合えば、いずれはこの状況を乗り越えられるかもしれない。最終的にはメイ・インが投票先を変更し、そして可決された。私たちはシグナルを追跡する。

#15

シグナルが強くなるにつれて、発信源にもう少しで辿り着けるという思いが強くなっていった。今日の午後、その瞬間がついに訪れた。

それはとてつもなく巨大な建造物で、地平線に迫るほどの大きさだった。自分に問いたい。これは私の想像どおりだったのだろうかと。どうやらこの遺跡は私たちを歓迎していないようだ…もちろん酒など用意されていない。残念なことだが。

それはともかくとして、そこだけは他の建造物から独立しているように見えた。まるで別々に作られたかのようだ。ステーションと何らかの繋がりがあったとしても不思議ではない。それなら動力があることも説明がつく。その建造物の目的に関しては、突き止める方法は1つしかなさそうだ…

#16

近づくとさらにその大きさに圧倒される。訪問者たちを怯えさせることを目的に作られたのであれば、見事なものだ。間違いなく成功している。その実、私が皆を説得してここに来たわけだが、そんな私でも中に入るのは気が引ける。なんとも情けない話だ。

ここでやめるわけにはいかない。メカを入れるには入口が狭すぎる。つまり徒歩による長旅になる可能性がある。もちろん、手分けをすればもっと広い範囲をカバーできるはずだ。ただこの建物のセンスと私の初歩的なホラー映画の知識から考えると、どうしてもその意見には賛成できなかった。

よし、行こう。何が見つかるか楽しみだ。

#17

暗いが美しい場所だ。これまでに発見したものには、私達のメカやTEKアーマーを超える技術が用いられていた。しかもそれが何列にもなって並んでおり、静かに音を立てながら奇妙な光を発していた。あまりにも整然としているので、まるで図書館かサーバールームのように見えた。

実際に、それは私の予想通りだった。そこは保管庫だったのだ。言い換えれば、私の本能は正しかったということだ!この場所にこそ、私達が探し求めていた答えがある。そうとしか考えられない!宇宙ステーションを作った文明がここに知識を保管したのであれば、これまでの全ての答えがこのどこかに眠っているはずだ。

とにかくそこにたどり着く方法を見つけなければ…

#18

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私達はついにターミナルの起動に成功した。いいぞ、いよいよだ。自分でも信じられないことだが、私はついにやり遂げた!あのステーションの謎、私達の存在理由、すべてがここにある!

これによると、宇宙ステーションは「ARK」と呼ばれる人口バイオドームのようだ。その名のとおり救命艇そのものだ。地球に何があったにせよ、サンティアゴが言っていたようにエレメントを使った技術が原因なのかもしれないが、とにかくARKは全ての生命――動物、植物、もちろん人間もだ――を地球の汚染された大地から隔離して、それを守り、育むために作られた。

だが予期せぬ事態が起きた。エラーというのは多種多様だ…それが原因であのような危険な場所に変化してしまったのではないだろうか。「自生プロトコル」についても言及されている。

もう少し調べる時間が必要だ。

#19

愚かだと思われるかもしれないが、私達は2日間ぶっ通しで情報の解読を行ってきた。それでも真実は休眠状態だが、データが私の原動力になっている。

それで、前に話した自生プロトコルだが、どうやらそれはARKにとっては最終段階のようだ。彼ら(※宇宙に浮かんでるステーションたちの事)はいずれ地球に戻らなくてはならない。地球に戻れば彼はそこで声明を培い、地表全体に生息域を広げていく。理論上は、これでによって地球は再び生活に適した場所になる。

そこでエラーが問題になってくる。自生プロトコルの初期化が一度も行われていないのだ。なぜだかは分からないが、とにかく「条件が満たされていない」と書かれている。

クソ、ありえない!ここには全ての答えがある。だが起動させられたターミナルはこの1台だけだ。他の方法で保管庫にアクセスする必要がある。メイ・インが言っていたアーティファクトはどうだろうか?エネルギーらしきものを放出していると言っていた。ということは動力を持っているということだ。どこにあるのか彼女に聞いてみよう。

#20

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メイ・インが発見したものを見る前、驚くようなものを目にすることは分かっていた。だがここまでのことは予想していなかった。

彼女が見つけたアーティファクトに手を伸ばすと、まるで手が引力によって引き付けられるような感じがした。どうしてもそれに触れずにはいられなかった。そのあとの記憶はおぼろげだ、だが気が付くとアーティファクトはなくなっていた。その代わりに、私の目の前にはうっとりするようなダイアモンド性のオブジェクトがあった――剥き出しの宇宙エネルギーのプリズムだ。

安全上の理由でメイ・インに没収されてしまったので、それ以上調べることはできなかった。彼女の用心深さを否定するつもりはない。ただ私は大丈夫だ!嘘じゃない!確かに、頭は割れた卵みたいな感覚だし、今でも体中がズキズキしているが、肉体的には無傷だ。彼女をどうにか説得して調査の許可をもらわなければ。

とにかく…あのアーティファクトに触れた瞬間、私は何かを感じた。何かが見えた。それを調べる必要がある。

#21

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あのアーティファクトに触れた時の記憶が「曖昧」だと私は説明したが、全てはそうであったわけではない。いくつかのことは覚えている――続けざまに私の頭の中にイメージが流れたのだ。最初は意味が分からなかった。だがメイ・インが一定の距離からプリズムの研究を許可してくれたため、徐々にその内容が明らかになってきた。

光をまとう1人の男、怪物の雄叫び、燃える空…記憶ではないようだった。少なくとも私のものではない。プリズムが私の頭の中にそのイメージを押し込んだのであれば、正直に言って、少し恐怖を感じる。

メイ・インの言うとおりだ。ここは慎重になったほうがいい。プリズムの秘密を知りたいという気持ちはもちろんあるが、あまりにも深く踏み込んでしまうと、自分の命を失いかねない。私たちはあの紫色の穴の中で、その道がどこに続いているかを目にした。強引にことを進めたことを謝罪すべきかもしれない…

#22

今では、メイ・インと私は、少し言葉を交わすだけでお互いの気持ちを理解できる。私は冷たい態度を取ったことを彼女に謝罪した。それでこの件は終わりだ。彼女はこれが私にとってどれほど重要なことなのかを理解している。私は彼女が危険から私を守ろうとしていることを理解している。それは私自身の行動も例外ではない。

私は自分の見たイメージのことを彼女に話した。彼女は馬鹿げていると取り合わなかったが、本当にそうなのだろうか。プリズムの研究をすればするほどイメージがはっきりとしてくる。特にある1つの映像が頭から離れなくなった。

そこには1つの部屋がある。深い洞窟の中だ。それは墓であり玉座でもある――高くなった場所に棺のようなものが置かれていて、銀色の金属と光り輝くクリスタルに囲まれている。壁はかすかに発光していて、上から光が降り注いでいる。それとも下から光が差しているのだろうか?私には判断がつかない。

これはどういう意味なのだろう?ないかを示唆しているのだろうか?それともただの睡眠不足か?

#23

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幻覚の話はともかくとして、プリズム自体は実に美しい。サンティアゴの強固で軽量な作品によく似ている。だがこちらのほうが固そうだ。最初はエレメントの形態の1つではないかと考えたが、どうやらそうではなさそうだ。

それでも確かなことが1つだけある。その形だ。なぜかこのプリズムは、私達の手首のインプラントの中心スロットとぴったり一致しているのだ!そう、間違いない、それは見れば明らかだ。だが他のことに目を奪われていて今まで気が付かなかった。

つまりこれはそのためのものなのか?データドライブのようにそこにはめればいいのだろうか?まさか、データドライブそのものなのか?ここまで苦労して来たのに、休日を楽しむサイボーグのアルバムを見せられることになるのか?「待って、またやってる!ママ、レンズの蓋を閉じたままだ!」

もちろん冗談だが、もしこれが特別なものなのであれば、もしそこに答えがないのであれば…私はどうすればいい?

#24

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プリズムの研究を続けていて分かったことが1つある――私のインプラントにそれを入れると、取り返しのつかないことが起こるようだ。恐らく私自身にだ、だが確証はない。そうすることで私が生き残れる保証もない。いずれにせよ、これは私にそうることを望んでいるようだ。しかも早急に。

どうすればいい?私はまだ答えを探している。だがこうしている今も、変異したロックウェルの顔がちらつき、メイ・インの声が聞こえてくる。目的を果たそうとしていた時、彼も同じようなことを考えていたのだろうか?

彼と同じ轍は踏まない。メイ・イン、ライア、サンティアゴ、それに今まで私を助けてくれた人々もそうしてきた。大切な人々に害を及ぼさないと分かった場合にだけプリズムを使用する。それによってARKの真実が永遠に闇に葬られるとしたら?それならそれで構わない。

#25

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これまで私の見てきたイメージは、まるでコラージュのように、短くて断片的なものだった。だが前回見た夢はそうではなかった。完璧で、全てが繋がっていた――多少、抽象的だったが。

そこでは紫色の指が岩盤を引っ掻いており、拳が土の中に埋もれていた。足元の岩が崩落していく
中、それは何かを求めるように、伸びて、別れ、クモの巣のように広がっていき、最後には一定のリズムで優しく拍動する烈火のような心臓に到達した。それはためらうことなく、そのねじれた巻きひげで心臓を掴み取って握り潰した。心臓の鼓動がゆっくりになり、やがて完全に停止した。そして最後には活力のない冷たい石となった。

心臓が死ぬと、紫色の指が黒い糸を放出した。私はそれを伝って、砕けて乾燥した肉体の中を通ると、その糸の終わりであるものを目にした。小さな光すら逃がさない巨大な影の軍隊だ。彼らは私の方に迫ってきた。

#26

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このイメージが幻影だという考えは、カズマが今朝、偵察から戻ってきた時に否定された。怪物の軍団がこちらに向かってきていたのだ。私にはこれが偶然だとは思えない。

彼らはプリズムを探している、そうに違いない。つまり私がこれを処分すれば…いや、上手く行くとは思えない。あの怪物たちはプリズムでは止まらない。それを探しに来た者すべてを始末するつもりだ。なぜか私はそう感じた。

クソ、なぜ私たちの不幸な運命しかみせてくれない?友人たちを助ける方法を教えてくれ、眩しいだけの役立たずめ!

仕方がない。移動していれば何か思いつくだろう。今はとにかくここから出る必要がある。

#27

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保管庫を出てから一度しか寝ていない。だが一瞬だけ間が空いた時、私は新たなビジョンを見た。

私が見たのははしごだ。それは地中から雲の上まで伸びていた。私はそれに手をかけると、誰かを背負いながら、一段また一段と登って行った。ペースはゆっくりだったが変わらなかった。例え見えなくても、空を超えたどこかで、はしごが終わることは分かっていた。

下では怪物が怒り、雄叫びを上げていた。彼らははしごを登れず、私達を追いかけることができなかった。一番背の高い者――巨大な死の王――でも私達を傷つけることはできない。そして登っていくうちに、私の手首が見覚えのある光に包まれていることに気づいた。

これがそうなのか?これが皆を助ける方法なのか?それとも自分が見たいものを見ただけなのか?決断する必要がある、しかも今すぐにだ。もう時間は残されていない。

#28

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まるで胃があやとりをしているような感覚だ。メイ・インは私にプリズムを渡すことを拒否した、だから私は…それを盗んだ。彼女が私を守ろうとしていることは知っている。ただ私たちは追い込まれている。これが私達を救ってくれる可能性があるのなら、手の届く場所に置いておく必要がある。

もちろん、危険なことは分かっている。だからこれは最終手段として使う。古代の謎を解き明かすためや大発見をするためではない。彼女と皆を助けるためだ。危機的な状況に陥り、プリズムの使用以外に打開方法がなくなったら、そのリスクを冒す価値はある。

すまない、メイ・イン。でも私たちはお互いに支え合うと約束した。こんなことは想像していなかっただろうが、こうする以外に自分の責任を果たせる方法がない。私を許して欲しい。

#29

動いた。プリズムは起動した。ただ私はちゅうちょしてしまった。今は私達2人しか残っていない。2人だけだ。他の者は全員死んでしまった。私も死ぬのだろうか?死とはこんな感覚なのだろうか?だから墓の映像が繰り返し再生されたのだろうか?何度も何度も。墓、それに玉座、そしてはしご。

はしごだ。私はまたそれを見ている。私は今も登り続けている。雲の上から星へと続いている。終わりが見えそうだ。ただ次の一段を掴もうとすると、私の手が塵へと変わる。私は悲鳴を上げそうになった。だが何の音も出てこなかった。

私は静かに立ち去る。彼らの顔が見える。ロックウェル、ライア、ダイアナ、サンティアゴ、メイ・イン…私は彼らに手を伸ばす。そのためには足がかりが必要だ。何か掴めるものがあるはずだ。なんでもいい。

そうだ。墓だ!

#30

すまない、メイ・イン。本当に申し訳ない。その肩に全てを背負わせてしまっている。でもそれを背負える者は他にはいない。

墓。玉座。そこにたどり着く必要がある。そこに私を連れて行ってくれ、昇天の霊廟に、私は道を見せることはできる。でもあなたはその道を1人で歩かなければならない。これが真実でなければどんなによかったか。できることならあなたに翼を授けたい。

それでも私はあなたを信じている、だから私を信じて欲しい。もう一度だけでいい。あなたに信じてもらう必要がある。頼む、お願

[ 文はここで途切れている ]

ヘレナのその後

これ以降はほぼ意識がなくなり寝たきりになります。動けなくなったヘレナの代わりにメイ・インが彼女を連れて移動し、目的地である「玉座である墓」を目指すことになります。



バイオハザードのメモ書きよろしく、ノートが途中で途切れてしまっていますが、これは上記に記載した通りヘレナの意識がなくなってしまったためです。恐らく書いてる途中で意識が無くなってしまったんじゃないでしょうかね。この後ヘレナがどうなるのかは……メイ・インのエクスプローラーノートを見ることで分かるようになっています。

ちょくちょくロックウェルの名前が出てきますが、ヘレナは彼とは決定的に違う決断を下しました。ヘレナは世界の謎を知りたいし、周りを説得してここまでやってきました。ですが最後の最後に「人に害を及ぼさないと分かった場合のみプリズムを使用する」「たとえそれで真実が消えたとしても構わない」という決断を下します。「たとえ周りが死ぬことになったとしても構わない、他人を犠牲にしてても研究を続けたい」と己の道を突き進んだロックウェルとは対照的な選択ですね!ヘレナらしくてとてもいいと思いました。

さて、サンティアゴのノートでは触り部分だけでしたが、ここにきてようやく「ARKとは何なのか?」が解明される形となります簡単に解説していくとARKとは人工的に作られた宇宙シェルターです。ノアの箱舟を想像したほうが簡単かもしれませんね。地球がエレメントに侵されてしまい人が住めない環境になってしまったため、ARKという宇宙に浮かぶ人口の島を作り、エレメントの脅威が届かないそこで動物や植物などの種を隔離する形で守っていました。

島内でそれぞれの種を繁栄させながら、一番大事な「種」としてのデータはコア部分に残している状態で島は運用されています。何かあった場合はクローンという形で種をロードして新たに作り直し目覚めさせる…来る日までそれを繰り返す。それが我々がいたARKの島々の実態です。

そして地球環境が改善された場合は、宇宙に保全していたARKの島々を地球に戻します。どう戻すのかについてですが、ダイナミックにそのまま宇宙から降って来て地表に埋まる形で地球に根を張ります。そして地球に根を張った後は、そこに住んでいた生物や植物たちが自然と生息域を広げていき、やがて地球はまた奇跡の青い星に戻る…。これが自生プロトコルの正体であり、ARK計画の大まかな全容です。

ただこの過程の途中で問題が発生。「ARK島が地球に戻る為の条件がまだ満たされていない」という理由で、自生プロトコルは未だに実行されていませんでした。そのため地球環境は未だに過酷なままであり、エレメントに汚染された生物達が闊歩しているという状態なのです。

ヘレナはアイランドの時からずーっとここは人工的に作られた島なのだろうか?と考察していましたが、その考えは正しかったということですね!ARKのストーリーを追っていくと「色んなMAPが用意された恐竜サバイバルゲーム」から「ちゃんとストーリーが繋がっており各島に存在理由がある」ってことがわかるので、ARKのストーリーって面白くありませんか?!(これいうの何度目だろう)


はてさて、「墓」と「玉座」とは一体何なのか。そこへ行けばどうなるのか。メイ・インは無事にヘレナの願いをかなえてあげることができるのか…。次回はメイ・インのストーリーを紹介したいと思いますのでお楽しみに!ARKのストーリーもいよいよ佳境ですよー!



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ジュラシック・ワールド (吹替版)
イルファン・カーン
2015-12-18