カルドセプト ザ ファースト|ストーリー・世界観・登場人物まるごと解説&考察【ネタバレあり】

カルドセプト ザ ファースト ストーリー考察 イメージ画

基本情報

タイトル:カルドセプト ザ ファースト
プラットフォーム:Nintendo Switch / PlayStation 5 / Xbox Series X|S / Steam
ジャンル:ボードゲーム+カードゲーム
発売日:2026年7月30日
開発:大宮ソフト
移植・共同開発:シティコネクション
販売:ネオス(Switch版) / シティコネクション(PS5・Xbox・Steam版)
プレイ人数:1~4人
価格:4,950円(税込・ダウンロード版)
原作:カルドセプト(セガサターン、1997年)
公式サイト:カルドセプト ザ ファースト 公式サイト


この記事は多大なネタバレを含みます。ストーリーを最後まで自分の目で見たい人はブラウザバック推奨です。

システム面・プレイ感の話は別記事にまとめています

カルドセプト ザ ファースト レビュー|復刻版で気になった不便さと初プレイ向けTips

初代『カルドセプト』にはストーリーモードが用意されており、10章構成のシナリオを進めていくとエンディングを迎える形になっています。システム面だけでなく、世界観の骨格もほぼ初代で完成しています。後続作品は全部この初代のストーリーの延長線上にあるような感じですね。

勿論初代ストーリーを知らなくても他シリーズを遊ぶのにあまり支障はありませんが、知っておくと面白いと思いますので、この記事では初代カルドセプト、今回はその復刻版である『カルドセプト ザ ファースト』を使いストーリー周りを整理していきたいと思います。

神々についての紹介

まず全世界共通となる、この世界にいる神々についての簡単な説明と姿紹介です。神々の力関係は主神カルドラ > 三極神 > 四柱神という階層になっています。

  • 時の神カルドラ:この世界の主神であり、宇宙の絶対神
  • 三極神:カルドラによって作られた事象の摂理を司る神々
    • 破壊と混沌の神 ガイデス 破壊を司る。あくまでカルドラの計画どおりの破壊であり、世界全体の成長のためには必要なものである
    • 創造と秩序の神 アティス 創造の力を司る。生み出されたものの多くは四柱神のいずれかの庇護の元に入る。
    • 抑制と中立の神 バルテアス 創造と破壊のバランスを司る。ある程度状況に応じて他の神々に指示する力を持つ
  • 四柱神:カルドラが作り出した四元素を司る神々。三極神の指示で働く
    • 地の神 セレニア
    • 水の神 イクシア
    • 火の神 ビステア
    • 風の神 テレイア
  • 下級神:四柱神の下にさらにさまざまな小神や天使が存在する
カルドセプト ザ ファースト 神々の階層図(主神カルドラ/三極神バルテアス・アティス・ガイデス/四柱神ビステア・テレイア・セレニア・イクシア)

ピラミッド図にすると上記の通りですね。地下に幽閉されているバルテアスを除き、基本みんな祠のお告げで姿を見ることができます。(セレニアのSSがうまく撮れず消えかけですみません…)

世界観の成り立ち

次に本編では詳しく語られていないこの世界の成り立ちと、なぜバルテアスが反逆し幽閉されているかについて。作中でも特に詳しく語られていないので、詳細を知らない人のほうが多いんじゃないでしょうかね。

特に最新作ビギンズから遊び始めた人はこの辺がちんぷんかんぷんだと思うので、下記だけでも目を通しておくとビギンズのストーリーも飲み込みやすいと思います。

◆◆◆

まずこの世界は時の女神カルドラが作りました。カルドラは地球を真似て「リュエード」という星と、その月を作りました。さらに彼女は三極神と四柱神を作りリュエードの統治を任せ、彼女自身は成り行きを天空で見守ることにしました。

彼女は自分の意思と力を伝えるため、それらを折り込んだ創造と破壊の書「カルドセプト」を作り、三極神に手渡し、彼らはその書に従いリュエードを育てました。やがてリュエードには、最初の大陸「バブラシュカ」が誕生。大地や海に生命が芽吹き、四柱神もそれらが絶えぬよう力を発揮し、リュエードを栄えさせました。

始めのうち三極神は協力し合いそれぞれの役割を果たしていたが、やがてバルテアスがカルドセプトに書かれた内容を改ざんし、自分の世界を作ろうと考え始めた。彼はまだ空白であったページに、自分自身の計画を密かに書き込んで行った。結果世界にカルドラの意に反した魔物たちが誕生し、本来の生き物たちを脅かし始めた。

アティスとガイデスはそれに気付きやめさせようとしたが、バルテアスは彼らに捕えられるよりも早くカルドセプトを奪い下界に逃げ出した。カルドセプトの力に逆らえない四柱神は、バルテアスの創造した魔物にさえ力を与えざるを得なかった。バルテアスは本の力をさらに悪用し、ついには彼の軍勢を作りだしてカルドラの地位をも奪おうとした。

それまで成り行きを見守っていたカルドラだったが、ついにリュエードに降り立った。そしてバルテアスの持つカルドセプトのページをばらばらにし、カード状に石化してリュエードの世界にばらまいた。力を失ったバルテアスは、神の地位と姿を剥奪され、地下深く永遠に幽閉されることとなった。カルドセプトを失ったカルドラ自身も、再び天空へと戻り、新たな計画を立てることは2度と無かった。

しかし幽閉されたバルテアスは、密かに時を待っていた。彼は自分の力を各ページに分散させ、カードが集まった際に再び力を得ることができるようにしくんでいた。さらに彼は本が破壊される直前、最後のページにカルドラでさえ消せない呪いを書き込んだ。

それは、「カードが集められ、新たなカルドセプトの主が決まった場合、カルドラにいかなる願いも叶えさせられることができる」というものだった。

◆◆◆

この時にバルテアスに作られた代表的なクリーチャーが四柱神に抵抗するための各属性の王達(フレイムロード、ダークマスター、ベールゼブブ、ダゴン)やミゴール、ゴリガンです。シャッターとプレッシャーのカードも実はバルテアスが作りました。また、イサークイーンのようにカルドラに作られたものの、バルテアスに加担するようになったカードもいます。

あとはカード説明にありませんが、バ=アルなどもバルテアスが作ったんじゃないかなと個人的に考えています。邪悪そうなのは勝手にバルテアス産だと思ってます(笑)

本編のストーリー

神々の戦いの末に、バブラシュカ大陸ではカルドラによって最後に作られたクリーチャー「人間」が繁栄を誇っていた。しかし各地で出土するカード状の石板がカルドセプトの破片だと判明したことにより、その力を得ようといたるところで戦いが巻き起こり、大陸全土が混乱に陥った。

王は嘆き、大陸に平和を取り戻してくれる者を募った。それに応え、ひとりの若きセプターが城を訪れる(主人公ですね)。知性ある杖ゴリガンとともに、主人公の旅が始まろうとしていた…。

主要キャラの整理

主人公

プレイヤーが操作するセプター。作中では常に無言で、周りのキャラが「主人公殿」と呼びかける形で勝手に会話が進みます。ゴリガンいわく「強力なセプターの気」を秘めた人物で、旅を通じて成長していきます。王の招集に駆け付けたあたり、多分お人よしだと思われる。

ゴリガン

カルドセプト ザ ファースト ゴリガン立ち絵

人頭杖。ゲームの案内役。セプターを感知できる能力がある。「主人公殿を救世主として旅を導く」役割で行動します。主人公に助けられて以来、ずっと主人公と一緒に旅をしているらしい(何から助けられたのかは不明である)

人語を話しセプター能力も感知できるなど、高度なアーティファクトであるがその作者は不明であり、本人もその部分については記憶にない。(作者については第10章で明かされる)

ゼネス(竜眼のゼネス)

カルドセプト ザ ファースト ゼネス(竜眼のゼネス)立ち絵

第1章から因縁が続く宿敵ポジションのセプター。「この世界を支配する」という野望を持ち、基本世界を救うという主人公と敵対し続けます。章を追うごとに単純な悪役ではなく、主人公の実力を認めていく描写が増えていきます。

作中では語られませんが、実は辺境の小国の王子です。しかし幼い頃に家臣の反逆で地位を奪われ、この時に左目と家族を失い天涯孤独となりました。その後高徳の師匠サルバトールに拾われ、失った片目にドラゴンの眼を移植してもらいました。その後サルバトールはセプターの力を恐れた村人によって殺され、それ以来ゼネスは復讐の鬼となってしまいました。それゆえ誰も信用できず、世界征服が野望となってしまったある意味悲しい人物。

基本作中のNPCはプレイヤーに負ける前、負けた後(再戦時)と基本2パターンブックが用意されてるんですが、ゼネスだけはブックが4つ用意されており、主人公の成長に合わせてブックも強力になっていきます。個人的に一緒に成長してる感があってとても好きな演出でした。

セバスチャン&ポコポコ

カルドセプト ザ ファースト セバスチャン 立ち絵

貿易都市 スネフに住む、母の病を治したい心優しい少年。ある日人間の言葉を話すかわいらしい動物「ポコポコ」が彼の前に現れる。ポコポコの正体は魔物の化身であり、セバスチャンのセプターとしての素質を見抜いたポコポコは邪悪な計画を企てる。「お母さんを助けたいなら世界征服さ」とセバスチャンに囁く。ポコポコが気に入っていた心優しいセバスチャンは、素直にその言葉を信じてしまうのであった。「うん、ぼく、世界を征服するよ!」

主人公に負けると、意外にもポコポコは「この子には手を出さないでくれ!みんな俺が悪いんだ!こいつは能力をもっていただけで、何も知らずにやっていたことなんだよ!」とセバスチャンを庇います。主人公に許された後は「もう悪事は働かねえよ、こいつの面倒をみながら、この街の平和のためにつくすぜ」と改心してセバスチャンの面倒をみるようになります。

コーテツ

カルドセプト ザ ファースト コーテツ 立ち絵

幽玄山脈カリンの中ほどに位置するコーエン山のふもとを住処とする巨猿。猿でありながらセプター能力があり、その怪力には一帯で敵う者はいない。そしてある時彼は思い至った。「オレ様より強い奴などいるはずがない。ならば目障りな人間どもにかわり、オレ様こそが世界の王となるべきだ」と…。

主人公に負けると「世の中には強いやつがいるもんだ…。目が覚めたぜ!オレ様はここだけを守って生きていこう!」と改心します。ゴリガンには「見かけほど悪いやつではなかったようですな」と評されました。

ヴァイデン

カルドセプト ザ ファースト ヴァイデン 立ち絵

かつてヴァイデンは一国の王であったが、暴君として恐れられた彼は市民革命によってザカリアを追われ、追放されてしまう。命からがら逃げだしたものの、その時につけられた手枷には呪いがかけられており外すことができない。日を追うごとに復讐心は強くなり「いつか世界を支配した暁には、かの国を地獄と化してくれよう」と考える。そして自分の領土と決めた死の砂漠 ゴザで、民からは金品を、セプターからはカードを税として奪いながらその機会をうかがうのであった。

主人公に負けた後はゴリガンに「王であることがそれほど大切なことかな?」と諭され、「確かにそれに拘り過ぎていたかもしれぬ。余はもう王と呼ばれることは望まんぞ。おぬしに負けてやっと自分の愚かさに気づくことができたのだ」と改心。「心の中でだけは王であり続けるつもりだがな」と言う姿にゴリガンもがんこな性格と笑うのであった。

ちなみにゴザ砂漠はバブラシュカの東西をわける大きな砂漠らしく、砂漠より東はキルヒ王の統治も及ばない広大な未開の地が広がっているとのこと。この「キルヒ王」はここでしか出てこない名前のため、ヴァイデンが治めていた国の現国王なのか、主人公を雇った国王なのかは不明。なんとなく後者かなーとは思っています。

ミランダ

カルドセプト ザ ファースト ミランダ 立ち絵

バブラシュカでも最も北に位置するガーベリヤ地方、極寒の村 ケルダーで生まれたミランダは言葉を覚えるよりも先に編み物を覚えたという。黙々と編み物をする彼女の姿を周囲は気味悪がったが、編み物の出来栄えは素晴らしいものであった。やがて彼女が10歳になるころ、周囲はあることに気付き始める。彼女の編み物が、巨大な図柄を形成していることに。そうして彼女は編み物を止めようとした村人たちを全員氷漬けにしてしまったのであった。

主人公に負けた後は「村の人々や両親までが、私を怖がるのをみて寂しかったの。どうせ寂しいなら、みんないなくなればいいって思って…」とその孤独感を吐露します。「私を止めたの、あなたが初めてよ。私のような能力を持つ人は村にはいなかったわ。あなたに会えてよかった」そういって村人たちを元に戻します。「もうさびしくないし…。世界には、あなたみたいに私と同じ能力を持つ人がいるんだって、分かったから」

村人たちが彼女を恐れず、もう少し優しく接していたらこうはならなかっただろうにというお話でしたね。村を出る際、ゴリガンが「最近になってなぜ、これほどの数のセプターが現れだしたのか…私はそれが気になります」と言う場面があります。これはなんとなくですが、バルテアスが自分を復活させるために、なんらかの力でセプターが世に多く輩出されるようにしていたのでは?と思っています。

オライリー

カルドセプト ザ ファースト オライリー 立ち絵

タリオの村で農夫をしていたオライリーは、ある日見慣れない種を拾う。種を芽吹かせたいと思ったがうまくいかず、お守りとして種を持ち歩くことにした。しばらくすると身体がやせ始める一方、力があふれてくるようになった。原因はお守りにしていた、生物に寄生するデラネシア草の種であった。デラネシア草に精神と肉体を支配された彼は、この花を増やすために世界征服をしようと考えた。

主人公に負けたあと、オライリーは自分の意識を取り戻しましたが、花を切り取るよう助言するゴリガンに反発。「これはおらの大切な花だ!もう悪いことはしないようおらが言い聞かせるだ」といって譲らない。それを見ていたゴリガンは、深く食い込んでいる花を無理に抜いたりすれば、本当に死んでしまうかもしれないといい、オライリーのいう事を信じることにするのであった。

ホロビッツ

カルドセプト ザ ファースト ホロビッツ 立ち絵

バブラシュカの極東に位置する活火山島ギルマンに住む魔術師。炎を操る偉大な魔法使いとして多くの弟子を育て、慕われてきたホロビッツだが、ある日予言の水晶球が彼の最期を映し出した。「わしが死ぬのであれば、この世界なぞ存在する価値はない」と、自分の死と同時に世界も滅ぼそうと彼は考えた。それ以来彼は人が変わったように付近を征服し始めたが、それは果たして彼の真意なのだろうか。

主人公に負けた後は「我が力を授けるに値するセプターを待っていた。破滅をもたらすとわしが言えば力あるセプターが集まってくる。そのセプターの中に、わしの力を使って世界を正しい方向に導いてくれる者もおるだろうと思ったのだ」と、世界征服は人を集めるための口実で、本当は自分の力を授ける後継者を探していたのだとネタばらしをしてくれます。

ちなみにホロビッツはゼネスの師サルバトールと修行を共にする仲でした。もしかしたらゼネスともうっすら面識があったかもしれませんね。また、ホロビッツと別れる際、ゴリガンに対し「おぬしはさぞ名のある魔導士が創り出したアーティファクトであろうな」といい、創り手を聞く場面があります。それに対しゴリガンは「私も全く記憶がないのだ…」とここで初めて自分が一部記憶喪失であることを告白します。旅が終わったら調べてみるつもりでいたところ、10章で正体が判明するわけですね。

グルベル

カルドセプト ザ ファースト グルベル 立ち絵

ビスティームの森に住む魔女。彼女は自分の美貌が自慢であり、暇さえあれば肌の手入れに時間を費やしていた。ところがあるとき魔女集会で、「何もしないでいると肌も衰える」と言われ心に影を落とす。そこで何か趣味を持とうと考えた末に、世界征服という趣味を見つけた。「ちょっとめんどくさそうだけど、この世の全ての者は私の美しさの前にひれ伏すべきなんだから、ちょうどいいわ」

主人公に負けたあとは、意外にも「セプターの掟だから、カードは渡すわ」と掟に従いカードをくれる。ついでに「森の木にしていた人たちも元にもどしましょう」と魔法も解く姿勢を見せる。「また旅人を木に変えたりせんだろうな?」と疑うゴリガンに、「今度からは道を教えてあげるわ。そうすればみんな戻ってから私の美しさを語り継ぐに違いないもの」と答えます。別の方法で自分の美貌を伝えていこうとする様はちょっとかわいいですよね。

ベルカイル

カルドセプト ザ ファースト ベルカイル 立ち絵

ナバトはかつて大きな都であったが争いが絶えず、ついには廃墟と化してしまった。その廃墟の都市ナバトで邪教を広めている神父がベルカイルである。悪魔モルダビアを神と崇め奉っている。曰く「この世は光に満ちているが、それが正しいのか?世界は光から始まったというが、光が生まれる前世界は闇だったのではないか?闇こそが世界の根源!そして闇を司るお方こそ邪神モルダビア様なのだ!」ゴリガンはそれを聞き、そんな教えを広めるからナバトは復興しないと叱るが聞く耳を持たず、「復活の儀式はすでに終わっている」といい、生贄として主人公たちに襲い掛かってきます。

主人公に負けたあとは「なぜ力をお貸し下さらぬのか。まさか本当に存在しないということですか…私の心の中にしか存在しないと…」と信仰心が揺らぎます。ゴリガンはそれに対し「そういうことだ」と諭すが、彼はここで驚くべき言葉を口にします。「では私に儀式を行えと命令されたあの地底からの声は、一体誰だったのでしょう?あれは町の人全てが聞いているのですよ」と。

驚くゴリガンたちの耳に、「お前の儀式、無駄にはならなかったぞ」と地底から声が響く。「一体誰です!?モルダビア様ではないのですか?」と問うベルカイルに、その声は「我が名はバルテアス!神々の戦いで追放された三極神の一人だ!」と正体を明かします。

バルティス山脈に出発しようとする主人公たちを見送るベルカイルは「いくら最強のセプターとはいえ、人間が神を倒すことなどできるのでしょうか?」と疑問を投げかける。それにゴリガンは「しかしやらねばなるまい」と答え、更に「思えば私は、あなたをやつと戦わせるために神が創り出した物ではないか…そんな気がしてなりません」と結構核心を突いたことを言いだします。ゼネスも山に向かうといい、出発する一行に、ベルカイルは「あなた方にモルダビア様の加護のあらん…いやこれは不適当ですな」と言い、無事を祈ってくれます。

ちなみにこのベルカイルが行った復活の儀式とやらがなんだったのかは不明ですが、ビギンズのストーリーを見る限り、本来はバルテアスが復活しないよう厳重な封印がかけられていたはずです。それが長年の地殻変動をうけたせいなのか封印が緩み、声を出せるレベルくらいにはなった。最後の一押しとして、封印解除の手助けをベルカイルにさせた、というのが大まかな流れなんじゃないかなと考察しています。

第十章:抑制神

かつて戦いに敗れたバルテアスは、神としての姿と力を奪われた。ゴリガンはそれに対し「彼が地上に姿を現さないのは、まだ全ての力を取り戻していないためではないでしょうか」と予測する。それに対し一緒に来ていたゼネスが「今なら人間である俺たちでも、やつを倒せるかもしれない、ということだな?」と答えます。

この時ゴリガンがゼネスに、おぬしには荷が重すぎるから主人公に任せてはどうかと提案するのですが、それに対しゼネスは「指図は受けん!俺は主人公のように善人面したやつは虫が好かんのだ。大体こいつだって分かったものか。突然現れて世界を救うなどと…いかなる望みも叶えられるとなった時に、世界平和を望む人間など、俺には信じられん!」と答えます。

それにゴリガンはやや憐みをこめて「ゼネス…おぬしは、本当にそう思っているのか?」と言うのですが、ゴリガンもうっすら民衆に師匠を殺されたゼネスのトラウマみたいなものをこの時感じとったのかもしれませんね。

さて、奈落に降り立った一行を出迎えるバルテアス。「我が奈落の居城へよくぞ来た」と挨拶したあと、「ゴリガンよ、お手柄だ。よくぞ最強のセプターをここへ招き入れることができたな」と褒めます。そしてゴリガンの正体を明かします。「その杖は私が残りわずかな力で創り上げたアーティファクトなのだ」

「そうであったか…私は大変な事をしてしまったようだ…」と自分の正体にショックをうけるゴリガンでしたが、意外にも復帰は早く、すぐさま「しかし私はもはや、おぬしの物ではないぞ。私は主人公殿にこのバブラシュカの平和を取り戻してもらうため旅を共にしてきた。その気持ちは今も変わらんぞ!」とあっさりバルテアスを裏切ります。

そうして主人公とゼネスは、神を倒すという最後の戦いを始めます。この時ゼネスは「世界中のセプターを打ち破ってきた主人公は、今や貴様でさえ、容易に倒すことはできん相手になってしまった」と言い、なんだかんだで主人公の実力を認めている発言をします。そして「さらに貴様は、大陸2番目の俺をも倒さねばカルドセプトの支配者にはなれない」と言い、ちゃっかり自分を2番目にしているあたりがかわいい。でも主人公に勝てないから、ちゃんと1番を主人公に譲っているのもかわいいですね!ツンデレか。

バルテアスの目的

作中で明確にされていませんが、バルテアスの真の目的は復活することではなく(まあそれもありはしますが)、バラバラになったカルドセプトを集めることにあります。何故ならカルドラが本を破壊する直前に、彼は最後の一ページに「カードが集められ、新たなカルドセプトの主が決まった場合、カルドラにいかなる願いも叶えさせられることができる」という文言を書き加えていたからです。

つまりバルテアスの書いた筋書きとしては、ゴリガンに力の強いセプターを見極めさせる→最強のセプターに育てたのち、自分の元へ連れてきてもらう→最強のセプターを倒しそのブックを奪えば、カルドセプトが揃う→そうすればカルドラにいかなる願いも叶えさせる権利が得られる→その権利をもって新しい世界を創る…という筋書きだったのです。

一〜九章まで各地でセプターを倒しながら旅してきた主人公ですが、遠回しにゴリガンが各地のセプターを倒すよう仕向けてたというわけですね。ゴリガン本人にその自覚はなかったようですが、刷り込まれた使命を無意識に遂行していった結果主人公は最強となり、最後はバルテアスの前までたどり着いたわけです。

バルテアスを倒した後の話

バルテアスを倒すとエンディングです。主人公はカードを揃えた者として、カルドラと謁見をすることになります。

やってきた主人公を見てカルドラは「あなたがカルドセプトを再生させたのですか?人間である、あなたが…」と若干驚きます。まさか最後に作った貧弱クリーチャーが世界の覇者になるとは夢にも思ってなかったんでしょうね。カルドラはこれに対し「カルドセプトをやむなく砕いた時に、カルドセプト自身が意識を持ち、人間たちに影響を与えたのかも…」と考察しています。

バルテアスが最後に付け加えた一文に従い、カルドラは主人公に問います。「あなたはカルドセプトに選ばれたのです。あなたがその力を使えば自在の宇宙を創出することができるのです。さあ選びなさい。新たなる宇宙を!あなたはどのような世界の神となるのですか?」

そうして主人公は神殿の外へ駆け出し…そこでゲームは終わります。最後にナレーションが「神話ではそのセプターのその後は伝えられていない」としており、主人公の決断はプレイヤー側にゆだねられます。「しかしカルドセプトの断片が、今も世界に存在している。宇宙がカルドセプトの意思により、輪廻しているのならば…また新たなセプターと、新たな宇宙が誕生するのだろうか?」と締めくくり、ゲームは終わります。

そもそもの始まりが、カルドラが砕いたカルドセプトがリュエードの世界に降り注いだ…というものであり、カルドラはカルドセプトを砕いた後「再び天空へと戻り、新たな計画を立てることは2度と無かった。」とあります。なのでおそらく、この時「カルドセプト」が存在している世界はリュエードのみだと思われます。(新たな計画を立てていない=新しい星などは作っていないので)

後のシリーズ作で当然のように新しい世界とカルドセプトがあることを考えると、主人公は新たな世界を創り、その世界でも覇者がでてまた世界を創り…というのが順当な見方な気がしますね。そして「世界平和を望む人間など、俺には信じられん!」と息巻いていたゼネスが、その後の作品で主人公のことを一度もけなさないところをみるに、新世界を創りつつ、リュエード世界にも平和をもたらしたんじゃないかなーと勝手に思っています。

各章のタイトル

ちなみに第十章のタイトルはまんま「抑制神」ですが、以下に全章のタイトルを紹介しておきます。※ストーリーは途中分岐しますが、どこから攻略しても章の順番は変わらないです。なので二〜四はセバスチャン、コーテツ、ヴァイデン。五〜六はミランダ、オライリー。七〜八はグルベル、ホロビッツというように、人によって戦う相手と章数が違います。

  • 第一章「宿敵」 ←ゼネス戦。「宿敵」なのがいいですね
  • 第二章「旅の始まり」
  • 第三章「探索」
  • 第四章「野望を抱く者」
  • 第五章「未踏の地へ」
  • 第六章「魂の影」
  • 第七章「答えを求めて」
  • 第八章「逃れえぬ運命」
  • 第九章「暗雲」 ←ベルカイル戦
  • 第十章「抑制神」 ←バルテアス戦

クリア後の展開:DS版に後日談シナリオがあるらしい

初代のリメイクである『カルドセプト DS』では、エンディング後に「つづきから」で各地を再訪すると、対戦相手との会話が変化する形式で、後日談シナリオが追加されています。私はDS版未プレイなので、下手に触れて内容間違ってたら申し訳ないので今回は触れません。なんか後日談があるらしいことだけここではお伝えしておきます。

『カルドセプト ビギンズ』への繋がり

2026年に発売された最新作『カルドセプト ビギンズ』は、初代よりも前の時代のバブラシュカ大陸の物語となります。つまり初代『ザ ファースト』のストーリーは、ビギンズを起点に見るとその後の世界を描いた作品ということになります。

ビギンズでは「何故バルテアスが封印されているのか?」という肝心な部分が最後まで明かされません。それどころか世界の成り立ちや神々の構造すらも伝わっていません(作中では伝承を解読中みたいな感じだったかと思います)。ゴリガンが何者なのかも明かされないため、ビギンズだけ遊んだ人は結構ストーリーにしこりを残したまま終わったんじゃないかなと思います。

なので時系列的にはビギンズ→初代なのですが、ストーリー的には初代→ビギンズの順番で遊んだほうが理解度が高かったりします。一応この記事で説明したストーリーだけ押さえておけばビギンズのストーリーも理解できるので、これからビギンズを遊ぶ人はここまで記事を読んでくれていれば理解度OKだと思います!!

ビギンズ側のストーリー解説はこちら

カルドセプト ビギンズ|ストーリー・世界観・登場人物まるごと解説&考察【ネタバレあり】

ザ ファースト まとめ

オープニングムービーや作中のストーリーをみただけでは、「なんかカードを全部集めてカルドセプトとやらを復元すれば願いが叶うらしい!」という程度の認識になってしまいますが、周辺資料を集めるともう少しストーリーに深みが出る作品ですね。

本作で登場するゼネスとゴリガンは以降の作品でも基本的にずっとでてくるので、彼らの初登場作品であるファーストを遊んでおくと後のシリーズでニコニコしながら彼らの活躍を見ることができます。前日譚であるビギンズでは、ゼネスはまだ生まれていませんので登場しませんが、ゴリガンは登場しています。調べてみたところサーガにもゲスト出演しているようなので、ゼネスがいないのはビギンズのみ。ゴリガンは全作品出演していることになります。

システム面・プレイ感の話は別記事にまとめています

カルドセプト ザ ファースト レビュー|復刻版で気になった不便さと初プレイ向けTips

今回はストーリー部分だけをまとめましたが、初代をPS版に移植したバージョン「カルドセプト エキスパンション」では画廊が用意されています。この画廊は一章〜十章の扉絵、あと戦闘後のリザルトにでてくる一枚絵を画廊で見れるようになり、各画像に説明文も付け足されていたりします。カルドセプトは各カードに短い説明があるため、それと合わせて世界観を考えるとなお面白いですよね!

最新作が出たばかりなので次回作ができたとしても当分先になるかと思われますが、末永く今後もシリーズとしてがんばっていただきたい作品です。みんなカルドセプト遊ぼう!!!

▼ カルドセプト ザ ファーストを遊んでみたい方へ

▼ 前日譚にあたるビギンズも気になる方へ

▼ 出典・参考にしたガイドブック


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