カルドセプト リボルト|ストーリー解説 眠れる神々編 2. 荒廃した未来と主神の正体

基本情報
タイトル:カルドセプト リボルト
プラットフォーム:Nintendo 3DS
ジャンル:カードゲーム+ボードゲーム
発売日:2016年7月7日
開発 / 販売:大宮ソフト / 任天堂
プレイ人数:1~4人
公式サイト:カルドセプト リボルト 公式サイト
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前回、過去の世界で偽りの主神グローディスを討ち取り、世界は救われたはずでした。ところが現代に戻ったアレンたちを待っていたのは、魔族に支配された荒廃の未来。今回は半神ハイデルゴス、過去の自分「シャドウ」、そして主神をめぐる兄妹神の真実までを振り返ります。本文はネタバレありです。
主人公の名前は好きに決められますが、一応公式が「アレン」という名前をつけているので、主人公の名前は「アレン」で記載させていただいてます。
6.眠れる神々
グローディスを倒したはずなのに、なぜ未来は救われなかったのか。半神ハイデルゴス、改変された未来のクラネス伯爵、そして時空の交差によって現れた「過去の自分」。6-4から6-5では、改変された世界の理由と、グローディスの正体に関わる核心が一気に見えてきます。
登場人物
人物として新たに、神の血を引く半神「ハイデルゴス」が登場します。

ストーリー構成
- 過去からの使者 - 執拗なる配下
- 神殿の守護神 - 奇妙な神 - 明かされた能力
- 高慢なる神 - 珍妙な同盟
- 闇に沈んだ世界 - 終わりなき悪夢 - 首領への道程
- 改変ふたたび - ゆずれない威厳 - 神々のゲーム
- 憎しみの兄妹神 - 激情の女神
- 創世の絆 - 復権の兆し
- 邪神の遺産
6-4.闇に沈んだ世界
「なんなの…これは?」あまりのことにユマが声を漏らす。アレンも戸惑いながら「わからない…邪神は倒れ、世界は復元したはずだ。なのに、この有り様はーー」と答える。テラーメアでさえ「まさに地獄絵図だ……一体、世界になにが起きたというのだ?」と困惑を隠せない。そこへ何者かが飛来してきた。「鳥か?いや、あれは…!」その姿を認めたアレンが驚きに声を上げる。
「んんん?時空の門を閉じようとしたのに、なにか出てきてしまったみたいですねぇ。まあ、いいでしょう。エキスでも絞り出して、薬の調合材料にしてあげます」そう言って現れたのはデルゴス…と似た姿をした何者かであった。
「デルゴス?ううん、ちょっと違うような…」ユマがそう呟くと「デルゴスなどと一緒にするとは、じつに不快!不快極まりない!私はハイデルゴス!魔族の中でも、上位に位置する者です」と、怒りを露わにハイデルゴスは名乗ったのだった。
「魔物の亜種か。いずれにしろザコにすぎん」そう言い、テラーメアは火球をハイデルゴスに放った。しかし目に見えないバリアに阻まれ、火球はハイデルゴスには当たらなかった。「ンーフフフッ…今、なにかしましたか?!」とハイデルゴスはテラーメアを煽る。
「弾かれただと…?こいつは…魔物ではない。このゲイン、まるで先ほど戦った神のような…」そこで初めてテラーメアの顔色も変わる。その言葉にアレンが「なに、神だと?テラーメア、そう感じたのか?」と聞き返す。テラーメアは「ああ、神の血でも混ざってない限り、あんな強力な障壁は生み出せない。おそらく、こいつの正体は……」と答える。「”半神”ということか。やっかいだな…」テラーメアが導き出した結論に、アレンの顔が険しくなる。
そこへ「ハイデルゴス!ここにも1匹、残っていたか」と突然別の声がかかった。現れたのはクラネス伯爵であった。「しつこいですねぇ。我々魔族にまだ歯向かい続ける気なのですか?」とハイデルゴスは鬱陶しそうに答える。「当然だ。ワシの世は断じて渡さん」とクラネスは毅然と返した。
そしてアレン達を見るなりクラネスは驚愕の台詞を呟く。「ぬう、また見慣れぬやつらが現れおったな。新手の魔族か!?ならば、まとめて葬ってくれよう」テラーメアは「伯爵様、生きておられたのですね。いや、しかし…」とクラネスに声をかけるが、それを見たアレンは慌てて「よせ!気を許すな!この世界のクラネスは俺たちのことを知らないようだ。このままではやられる!」とテラーメアを制止する。
「ちょっとは歯ごたえのあるセプターのようですね」とハイデルゴスがアレンに声をかけ、「たとえ何者であれ、ワシの世を狙う者は許さん」とクラネスも続く。
アレンは二人を見据え「俺たちは知らなければならない。なぜ世界がこんな風になってしまったのか。話してもらうぞ。たとえ…力ずくでもな!」と告げ、戦闘が開始されるのであった。
◆ 戦闘終了後 ◆
「ノォォォッッ!信じられません、この私がァァッッ!!!」ハイデルゴスはそう叫び、紫の光とともに消滅する。「やった…!魔族を倒したよ、アレン!」とユマは喜びに声をかけた。
しかしそれを見たクラネスは鼻で笑う。「フン、喜ぶ前に……空を見てみろ。うぬらの目に、なにが映る?」「空だと…?あ、あれは……!」空を見上げたアレンは困惑する。テラーメアが空の様子に気づき、口を開いた。「遠くの空に、何千という魔族の群れ……」「そういうことだ。1体ぐらい倒しても、この地獄は終わらぬ」とクラネスが険しい顔で言った。
クラネスがアレン達を見つめる。「貴様らは、魔族ではないようだな」アレンは「ああ、人間だ。俺たちは、別の次元からきた。話してくれないか?この世界でなにが起きたのか」と答える。その問いにクラネスは「……よかろう。ことの起こりは数千年前…」と語り始めた。
「この世界は、邪神に乗っ取られてしまったのだ」そう言ったクラネスに、アレンは信じられない様子で反論する。「なに、邪神だと?そんなはずはない。奴は……俺たちが倒したはずだ」クラネスが怪訝そうに「む?倒した…?」と見る。「いや……なんでもない。続けてくれ」とアレンは続きを促した。
クラネスは再び語り出す。「邪神は、この世界の主たる女神をだまし妻に娶ってしまった。この空を飛び交っている魔族の群れは、その邪神と女神の子孫たちなのだ」そして苦々しく呟く。「魔族が支配するこの地獄のような世界で……我々人間は細々と生きてきた。それが今この世界で起きているすべてだ」
アレンは呟いた。「邪神と女神の…子孫…。俺たちは邪神グローディスを倒し、女神を救ったはずだった。しかし邪神は滅びず、前よりもさらにひどい事態を招いてしまった」テラーメアは「だが邪神が別にいるなら、あのグローディスという神は何者だ?主神でもなく、邪神でもないとしたら一体……?」と疑問を呈する。
「わからない。ただ、俺たちが思い違いをしていたのは確かなようだ」とアレンは答える。ユマは沈痛な面持ちで「ごめんなさい…。わたしがあのレリーフを見て、勘違いしたから…」と謝罪した。落ち込むユマをアレンは「そうでもない。俺たちにはまだ手段が残されている」と励ます。「…手段とは?まさか……」とテラーメアが問いかけ、ハッとした。
「そう、開いたままの時空の門だ。あれを使えば、ふたたび過去に戻れる」アレンは過去へ戻る意志を固める。「過去へ戻って、どうするの?」というユマの問いに、アレンは「どうすればいいかは、わからない」としつつも「ただもう一度、やり直さなければならないな。――この世界の歴史を」と答えるのであった。
6-5.改変ふたたび
再び時空の門を通り、過去に戻ってきた一行。「…着いたようだな」神殿内の一角に出たのを確認し、テラーメアが呟く。そしてアレンに「ここは本当に我々がグローディスを討つ以前の時間なのか?」と問う。アレンは「おそらく成功したはずだ」と答えた。
「この時代のグローディスはまだ生きている。奴が何者なのかを、まずは確かめよう」アレンはそう提案し、知った道を歩き出す。そこへクプティプが走り寄り、「侵入者でクプよ!通さないでクプ~」と言ってくる。そんなクプティプをテラーメアとユマが押さえつける。
「アレン、ここは私たちに任せて先に行け」と言うテラーメアに「…わかった。テラーメア、ユマ、頼む」とアレンは感謝を述べ、速足で奥へと進む。それを見たクプティプは「しまったでクプ!」と言った後、「はて?でも今の人、さっきも見たような…」と呟いた。
奥へ進んだアレンは、憤怒するグローディスを発見する。「おのれ、こしゃくな賊め…!たかが人間ごときが、この私を討とうというのか!」アレンはグローディスの前にいる人物を見て驚愕し、「なに!?あ、あれは…!!……!?お前は…何者だ?」と声をかける。
そこにいたのはアレンにそっくりの人物であった。「これは…どういうことだ?どこかの神が化けているのか…?」アレンにそっくりの謎の男も困惑気味に返事をするが、「たとえどんな邪魔が入ろうとも、邪神グローディスは倒して見せる。この世界を消失から救うために!」と言うのであった。
それを聞いたアレンはハッとする。「そうか!こいつはもしかして、以前の俺…。グローディスを倒してしまった俺か。過去へとんだことで、時空が重なってしまったのかもしれない」そして過去の自分を見ながら呟く。「以前の自分を止めなければ、グローディスは再び討たれ、正体をつきとめられなくなる…」
アレンの姿を確認したグローディス。「む?まったく同じ顔の賊がふたり…。貴様らは…兄弟か?」そう言い、さらに「そうか、我々と同じ…ふたりでひとつの目的を持つ者…」と続けたのであった。
アレンはそれを否定する。「ちがう。兄弟ではない。こいつは俺の過去の姿だ。おそらくは残像みたいなもの…いわば”シャドウ”だ」「シャドウだと?神である私にも、何が起きているのかまったく読めん…」とアレンの言葉にグローディスは困惑する。だが「たとえ何者であろうと、このグローディスに牙をむく者は許さん!」と敵意を向けてくるのであった。
それにしかたないとアレンは呟く。「シャドウを倒し、グローディスを大人しくさせる。すべては…それからだ!」そうして3人での戦闘が始まるのであった。
◆ 戦闘終了後 ◆
敗北したシャドウが光となってその場から消える。それを見たグローディスは「む?消えた、だと?あやつは一体…?」と訝しむ。それにアレンは「だから言っただろう。残像だと」と返事をする。
アレンはグローディスの説得に入る。「俺はお前を倒しにきたわけじゃない。あいつの手から守り、話を聞くために来たんだ」「ふーむ、人よ。なにやら込み入った事情がありそうだな」そうして意外にも、グローディスは素直に耳を傾けるのであった。
遅れてユマとテラーメアが合流する。「どうしたの、アレン?」と問いかけるユマに、アレンは「なんでもない。ただ……顔なじみがいただけだ」と答え、本題へと話を変える。
「グローディス、聞かせてほしい。お前は……どういう神なんだ?」「どういう神とは、この私に対して、なんという無礼な質問…」と返すグローディスだったが、続けて「まあよい。話すまでもなく……私はこの世界の、主神のひとりだ」と語った。「主神の……ひとり?ひとりとは、どういうことだ?」その言葉にテラーメアが反応する。「さっき戦う前に妙なことを言っていたな…。“我々は、ふたりでひとつの目的を持つ”とか…」とアレンも思い出す。
二人のその言葉に、グローディスは驚愕の新事実を明かす。「その通り。この世界の主神は、ふたりいるのだ。兄の私と、妹のパーメラ。ふたりで世界を創造し、そして守っている」アレンはその事実に驚愕する。そして「この世界の主神は、兄妹神なのか?」と問う。グローディスは「いかにも。まさか人の世に伝わっていないとは思っていなかったが」と答えた。
「兄妹神…!じゃあグローディスは……やっぱり主神だったんだね。ただ、ひとりで世界を支えてるんじゃなくて兄妹ふたりで、役目を分け合ってた……」とユマは理解する。テラーメアも「その片方が倒れれば当然、主神の役割は果たせなくなる…。未来が地獄と化したのは、やはり我々がグローディスを倒したことが原因か」と状況を把握した。
「しかし、なぜ兄妹がともに主神になれたんだ?ゼネスからは、世界の覇者だけが神になれると聞いていたが……」とアレンはもっともな疑問を投げかけた。グローディスは答える。「私とパーメラは、人だった頃から常に行動を共にしていたのだ。そして兄妹セプターとして頂点に立ち、一緒に新世界を担うことになった。創世期よりずっと、ふたりの神を頂く世界。それがこの“プラソレム”なのだ」
アレンは「ふたりの神が創った世界プラソレム……。それがこの世界の真の姿なのか」と呟いた。グローディスは続ける。「ふたり合わせれば主神としての力は申し分ない。だがやはり、ひとつの世界にふたりの主神を頂くのは誤りだったのかもしれんな」ユマが「誤りって……ふたりの間に何か問題でも起きてるの?」と推測すると、グローディスは「うむ、妹は主神としてあまりに未熟…。そして、それは私の責任でもある。このままでは私は妹を封印し、私自身も封印しなければならなくなる」と厳しい現実を語った。
アレンが「自らの身を封印だと?そんなことをしたら世界は……!」と声を荒げる。それにテラーメアが「消えていくことになるな。私たちが、元の世界で見たように…」と続ける。ユマは「これが世界消失の原因なの?」と言い、続けて「あっ!あの“完全なる神のレリーフ”って、兄妹神同士が争う姿を刻んだものだったんじゃない?」と閃いた。
それにアレンもハッとする。「…そうか!あのレリーフは邪神が主神を討つ姿ではなく、主神である兄妹神が争う姿……。ということは、俺たちが過去でしなければならないことは……」と核心に迫ろうとしたその時、「むっ?話の最中にすまんが、どうやらやっかいな客がきたようだ」とグローディスが遮った。
アレンが「やっかいな客?まさか……」と予想すると、グローディスは「そうだ。世界の、もう一柱。すなわち……我が妹“パーメラ”だ」と告げた。
独り言「ふーむ、人よ。なにやら込み入った事情がありそうだな」って答えるグローディスみてると、こいつは高慢なだけでわりと話はわかるやつなのか…?ってなりますよね。シャドウについては本来であればユマとかテラーメアとかクプティプもそこにいただろ!そっちのシャドウはいないんかい!となるんですが、まあ残像っていってるのでなんかアレンだけ過去の自分が残っちゃった感じなんでしょうか…。こういう過去へ行く系の話はタイムパラドックスが生じるので色々と考えてしまうんですが、本作はなんかそこまで深くは考えられてなさそうなので、考えないようにしよう!
サブクエスト
6-4-2.終わりなき悪夢
クラネスはアレン達に問いかけた。「これから、どうするのだ?別次元の寄人たちよ」アレンは「俺たちはもう一度、過去に戻ろうと思う。世界をこの惨状から救うには、歴史を書き換えるしかない……」と答える。その時、謎の声が聞こえた。「おーっと、そうはさせませんよー!」
声の主であるハイデルゴスが現れる。「そんな…さっき倒したばかりなのに」と姿を認めたユマが言う。クラネスはハイデルゴスを前に、「言ったであろう。1体や2体討伐したところで、どうにもならん」とアレン達に忠告する。
ハイデルゴスはアレンに告げた。「アレン、逃がしませんよ?あなたをこの時代で仕留めることは、偉大なる首領の命令なのですから」その言葉にアレンが「偉大なる…首領…?」と眉をひそめる。クラネスはアレンを案じ、「アレン、ただちにここから去れ。このハイデルゴスは、ワシの手で……」と告げた。
しかしアレンはクラネスの前に進み出る。「いや、俺がやる。少し興味が出てきた。……この時代にな」ハイデルゴスはアレンの言葉を聞き、「ほう、背を向けずに、正面から張り合うというのですか?」と尋ねた。アレンは迷いなく「お前たちの戦い方は、先ほど学んだ。今度は手こずることもないだろう。すぐに倒してやる!」と答え、戦闘が始まるのであった。
◆ 戦闘終了後 ◆
またしても敗れたハイデルゴスが現れた。「そんなバカなぁぁ!?この私が…アビャビャビャーーッ!!」そう奇声を発しながら、ハイデルゴスは消滅する。
「さすがの手腕だったな」とテラーメア。「だが思ったより手こずった。こんな奴らがうろつく世界はあまりに危険だな」「どうするの?やっぱり過去に戻るの?」と問うユマに、アレンは「他にも解決方法があるかもしれない。この時代に残ったままでも、できる方法が」と答える。
「なにをしようというのだ、アレンよ?」とクラネスが面白そうに聞く。「さっきハイデルゴスが言っていた”偉大なる首領”。そいつを討ち取れば、世界を救えるかもしれない」
テラーメアがなるほどと一旦納得するも、続けて「だがどうやって戦う?策はあるのか?」と疑問を呈す。それにアレンは黙ったまま答えないのであった。
6-4-3.首領への道程
「魔族の長”偉大なる首領”を倒す、か…。仮にそれを目指すとして、どう動く?」テラーメアがアレンに問いかける。アレンは「一番の愚策は、なにもせずに待つことだ。次々と押し寄せてくる魔族に、やられてしまうだろう」と述べる。ユマが「じゃあ…どうするの?」と尋ねると、「こちらから打って出るしかない。首領を探し出して…討つ!」と答えた。
「まずは探索だ」と早速行動に移そうとするアレンに、「もしかしてあなたが探しているのはこの私ですか~?」と頭上から声がかかる。現れたのはまたしてもハイデルゴスであった。「今度もまたアレンに蹴散らされて終わりだろう」とテラーメアが言う。それにクラネスが「たしかにアレンは負けんだろう」と同意したのち、「ただし…相手が1体だけならな」と付け加えた。
そこへ「今回はオレ様もいるぜー!」と割り込んできたのは、デルゴスであった。「ふたりで組んで、アレンを串刺しにしてやろうぜ」とハイデルゴスに持ち掛けるデルゴス。それを見ていたクラネスは「ワシが手を貸そう」と一歩前へ出る。「協力してくれるのか?」と驚くアレンに「うむ。ここはワシが治めるべき時代なのだ。守るのは当然の責務だ」とクラネスは答えた。
「そういえばあなたにもかなり手痛い目にあわされましたねぇ」とハイデルゴスは言う。それを無視し、クラネスはなおもアレンに語り掛ける。「アレンよ、貴様に話しておきたいことがある。だが…それはこいつらを撃退した後にしよう」「わかった、聞かせてもらおう。その前にまずはこのデルゴス軍団を片付ける!」アレンがそう言うや否や、同盟戦が始まるのであった。
◆ 戦闘終了後 ◆
「ギエエエッ、やられたー!場違いなところに来ちまったー!」そう叫びながら消滅するデルゴス。「なんという強さ…!こいつらの力、信じがたいですよー!」そうしてハイデルゴスも消滅する。それを見ていたアレンは「…消えたか。しかし2体そろうと、片づけるのも手間がかかるな」と呟く。「そうであろう。数が増せば増すほど、脅威も増す…。それが魔族だ」クラネスはそう返事をして、本題を切り出す。
「ところでアレン、貴様に話しておきたいことがあるのだが」「戦いの前に言いかけていたことだな。なんだ?」聞く姿勢のアレンに、クラネスは断言する。「首領を討つのは、あきらめた方がよい。そんなことは不可能だ」「不可能?なぜだ?」アレンは問い返す。それにクラネスは粛々と答える。
「すでにワシは試してみたのだ。全てのセプターの力を結集してな。皆素晴らしい心意気の若者たちだった…。しかし圧倒的な数に押され、次々と魔族の餌食に…」そしてアレンに再警告する。「疲れ果てた末のあの無残な最期…。自ら望むことはない。敵の首領を討つのは、諦めるのだ」
それを聞いたアレンはクラネスに問う。「お前はもはや完全に希望を捨ててしまったのか。それで……いいのか?」クラネスは静かに答える。「いいも悪いもない。ワシはもう、あらゆる力を尽くしたのだ。残された道はこの命の続く限り、守りに徹する。それだけだ。すべてを試みた末での…今なのだ」
アレンはそれを黙って最後まで聞いていた。「アレン……どうする?」問いかけるユマにようやくアレンが口を開く。「…やはり、過去に戻って歴史を変えるしかないようだな」アレンは続けて「クラネスの判断を信じよう。行くぞ、ユマ、テラーメア」と告げた。
歩き出したアレンにクラネスは最後の言葉を残す。「アレン。この戦いは…やがて終わる。人間は滅び、ワシも死ぬだろう。もし、貴様たちが歴史を変えられたなら…。それだけが、ワシの最後の希望だ」その最後の言葉を聞き、3人は振り向かず歩き出すのであった。
独り言こうやってみると、クラネスって非常に民のことを考え、必要とあらば先陣を切って出陣し、どんな手段を使っても最後まで自国を守り通そうとする、いい領主ですよね。わしも死ぬだろうって台詞がせつねぇ…。
6-5-2.ゆずれない威厳
「ところでアレンよ。極めて重要な話がある」改まってそう言うグローディスに、「…よほどの事のようだな。一体、なんだ?」とアレンが身構える。
「貴様は先ほど、シャドウを交えた戦いで私に勝ったな?このままでは神としての示しがつかぬ!一刻も早く再戦し、名誉を挽回せねば」と言うのであった。その台詞に「え?まさか重要な話って……それ?」とユマが拍子抜けする。
勝ち負けなんてどうでもいいのでは、と言ったユマをグローディスは猛烈に批判した。「そんなことはない!私の腹が煮えくり返ったままでは、世界の平穏はありえん。私にとっての一大事は、世界にとっての一大事なのだ!」
「…だな?クプティプよ」と突然話を振られるクプティプ。「え!?あ、は、はい~。言われてみれば、そうかもでクプね~」と返事をする。「アレンに負けたままだと神と人の境界線がボヤけるでクプ」ともっともらしいことを言い、グローディスもそれに「うむ、そうであろう。その通り!」と続けた。
そうしてグローディスはアレンのほうに向きなおる。「というわけで是が非でも、もう1戦してもらうぞ。まさか主神の意向に、異論はあるまいな?」ユマは呆れたように尋ねた。「戦う理由って、もしかして……グローディスがくやしいから?」
アレンに「どうする?」とユマが問いかける。アレンはそれに「やれやれ、格の高い神というのは、自尊心も限りがないんだな…」と呆れながら返事をする。そして「おさまりがつかないというなら、応じるしかないか」と1対1の戦いを引き受けるのであった。
◆ 戦闘終了後 ◆
「馬鹿な!ありえん!主神たる私が、連敗を喫するなど…」グローディスは続けて言った。「たとえ時の運に恵まれなくとも、こんな失態をさらすはずは…」そしてふと何かに思い至った。「む、まさか…私の身に、なにかが起きているのか?知らず知らずのうちに、なにかが……」
それを見たユマがアレンをひっぱって言う。「わたし思うんだけど……もう、はじまってるんじゃない?」要領を得ず「何がだ?」と聞き返すアレンに、ユマは続ける。「この世界の消失…。だから主神の力が衰えはじめてるのかも…」それに「今回の敗北は世界消失の前兆だというのか?言われてみれば迫力が欠けていたような気もするが…」とアレンもなんとなくそんな気がしてくる。
二人が相談している間、グローディスも自分の考えをまとめ終える。「1対1では私が衰えているのか、アレンが強いのか、判断できぬな。よし、次の戦いにはあの神も参加させるとしよう。私の好敵手である、あの神を」
その言葉に、アレンはグローディスの好敵手とは誰なのかを考えるのであった。
6-5-3.神々のゲーム
アレンは尋ねる。「グローディス、お前がいつも戦っている神とは、誰なんだ?」グローディスはフフフ…と笑って答えた。「貴様たちも、その神のことは、よく知っているはずだ」その言葉にユマは「その神って、まさか…!」と予想をする。グローディスも「その神の正体は!!」と声を上げ、横を見て言った。「ほれ、ここにいる」傍らにいたのはクプティプである。
クプティプも笑って「そうでクプ~。いつも戦って…ううん、戦わされてるんでクプ~」と返す。続けて「グローディス様は、自分の力を見せびらかすのが好きなんでクプ~」と言うのであった。
グローディスは顔をしかめた。「ひ、人聞きの悪いことを言うな。私はただ、神としての模範を示しているだけだ」続けて「3人で戦えば、きっとわかる。私が普段より衰えているのか、貴様が異常に強いだけなのかがな」それにアレンは納得した。「なるほど、クプティプを基準にして比べるわけか」
しかしアレンは疑問を呈した。「だが、待てよ?俺が戦う必要はないんじゃないか?」グローディスはそれを拒否する。「何を言う!勝ち逃げは許さんぞ」そしてさらに畳みかけた。「ここからが本当の勝負なのだ。クプティプよ、お前も本気で来い。この戦いの間は、グローディス様ではなく、グローディスと呼べ。よいな?」クプティプは驚きの声を上げた。「えええっ!?…わかったでクプ。そのくらい、強気で来いってことでクプね」
ユマは不安そうにつぶやいた。「神様ふたりが相手なんて……大丈夫、アレン?」それにアレンは力強く答えた。「ああ、大丈夫。ついでに、世界消失の兆候があらわれているのかを調べるとしよう」そうして3人での戦闘が始まるのであった。
◆ 戦闘終了後 ◆
敗北したグローディスが言う。「自分の力が落ちたとは感じなかった。…ということは」「アレンが強すぎるんでクプよ~」とクプティプが続きを言った。そして「グローディス様は大丈夫クプ。いつも通り、元気まんまんでクプ~…」と言うのであった。
アレンも「どうやら思い違いだったようだな。グローディスの力はまだ健在だ。世界の消失は、今からでも十分に止められる」と言った。それを聞いたユマが一安心する。「そう…。この時代なら、まだ手遅れじゃないんだね。よかった……本当によかった!」
今度はそれを聞いたグローディスが言い放つ。「なにがよいものか!私の威厳を傷つけておいてただで済むと思うなよ!もう1戦だ!」アレンは呆れたように口を開く。「いい加減にしてくれ。何回戦ったと思っている?あとは……ユマ、頼む」そういってアレンはその場を立ち去るのであった。「わたし、戦う気なんてないから。アレン、ちょっと~!」ユマもアレンを追ってその場を後にする。
「かくなる上は!」残ったグローディスが叫ぶ。そうして視線を向けられたクプティプは「えー…また僕でクプー…?」とげんなり呟くのであった。
独り言本編ではわりとまじめなグローディスですが、ここにきて何故かコミカル神になってて面白い。「だな?クプティプよ」とか「かくなる上は!」とかいってる神おもしろすぎるだろ。そして毎回同意と相手をさせられてるクプティプの普段の苦労がうかがい知れますね。
まとめ
まさかの主神二人は最初全然予想すらしていませんでした。「完全なる神のレリーフ」がふたりの争いを刻んだものだった、という回収もお見事。主神が二人っていう事が「まさか人の世に伝わっていないとは思っていなかったが」って言ってましたが、昔の人と神の関係ってどんな感じだったんでしょうね?レリーフが作られてるくらいだから謁見か姿くらいは拝見できていたのでしょうかね。
次回は、ついに姿を現すもう一人の主神パーメラと、グローディスとの因縁に踏み込んでいきます。
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