サイレントヒル タウンフォール感想・考察|恐怖満点、謎解きも物語も難解
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昔からサイレントヒルシリーズが好きなんですが、ホラーが苦手すぎてなかなか自分でプレイする機会がありませんでした(他人のプレイ動画をみて好きになった口)。ですが今回!夫が『SILENT HILL f』を買うついでに『SILENT HILL: Townfall』を買ってきたので、人生で初めてサイレントヒルを遊んでみることに…!
そんなわけで今回はPS5版『SILENT HILL: Townfall』をクリアした感想と考察です。前半はホラーとして良かったところや、謎解きや操作感で気になったところなどのプレイ感想。後半はストーリーやエンディングまで踏み込んだネタバレありの考察となります。前半にも敵や攻略、周回要素への言及があります。未クリアの方はご注意ください。
基本情報
タイトル:SILENT HILL: Townfall
プラットフォーム:PlayStation 5 / PC(Steam / Epic Games Store / GOG.com)
ジャンル:サイコロジカルホラー
発売日:2026年9月24日(PlayStation 5 / Steam / Epic Games Store)、2026年10月9日(GOG.com)
開発:Screen Burn Interactive
販売:KONAMI / Annapurna Interactive
プレイ人数:1人
公式サイト:SILENT HILL: Townfall 公式サイト
びびり散らかしながらも『SILENT HILL: Townfall』無事クリアしました!日本を代表するホラーゲームなだけあって、ホラーとしての恐怖演出は素晴らしく、終始不穏な空気が漂う作品でした。あとやっぱりこのシリーズ音楽がいいよね音楽が。
一方で謎解きが結構難解で苦労しました。あとは個人的にステルス操作がやりづらく、ストーリーもかなり難解であるなど、不満な点もちらほら。
プレイし終えた総合的な評価としては「普通~良」くらいでしょうか…。完成度は高く、ホラー体験としてはかなり面白かったですし、難しい謎解きを解けたときには達成感もありましたが、ゲームをクリアしたときの爽快感や満足感があまりなく、むしろ疲労感と疑問が残ってしまう系のゲームなんですよね。あと謎解きが難解すぎて…詰まる…。
以下実際にプレイして感じた良かったところ・不満だったところと、クリア後に調べた自分なりのストーリー考察をまとめてみました。ちなみに私の完走設定は以下のような感じです!最初はノーマルとかでしたが、あまりに謎解きに詰まるのとステルスが苦痛だったので、ストーリークリア最優先で難易度をさげました。
プレイ環境
- 難易度:ストーリーモード
- 謎解き:ヒントあり(重要部分が赤文字で表示される設定)
- 2026年10月29日のPatch 1.6.0配信前にクリア
- 基本武器:2周目から使える斧(夫がクリア済のため利用可能だった)
- 確認したエンディング:Justice、Abandoned(Foreverは後から映像で確認)
※後半にはストーリーやエンディングについての重大なネタバレを含みます。
良かったところ
とにかく怖い! ホラーとしての演出は満点
本作で最も評価したいのはやっぱりホラーとしての恐怖演出ですよね。私はノミの心臓なので、敵が近くにいるときに鳴るCRTVの「ザッ...」って音にさえびびり散らかしてましたw敵に見つからないように進むステルス進行もなかなかに緊張感がありました。
特に遠くから地面を這って敵が突然猛ダッシュしてくる、地面に倒れている敵がいきなり掴みかかってくるなどの演出も怖かったです。あと後半のリチャード編にでてくる敵が、一度姿を見せた後猛ダッシュで逃げて物陰に隠れて襲ってくるんですが、このかくれんぼが上手すぎて全然見つけられず、(どこだ…?)と思ってるうちに不意打ちされて悲鳴がでました。心臓に…悪い……!
ちなみに数ある演出の中で私が一番驚いたのは、部屋の中にあった穴を下りたら、敵が部屋へ駆け込んできて突然襲われた場面です。トゥルーエンドを目指すにあたりできる限り不殺で進めようと思ってたのに、驚きすぎて「わああ!」って言いながら反射で斧で殴り殺してしまいました。まじで…びっくりした……。
また、ゾーイ編で最初に敵が登場するスチュアート宅も怖かったです。私は2周目で武器があったので普通に殴り殺して終わりでしたが、本来この時点では武器がないため敵を倒すという選択肢がなく、ステルスでやり過ごすしかないんですよね。夫がやってるのを横目に見ながら(こえー…)と思ってましたw
音楽と効果音の使い方が素晴らしい
本作は音響演出が非常に優秀だなーと思います!基本的に静かで不穏な音楽が流れているのですが、その中で敵の呼吸音や小さな声が聞こえてくるんですよね。敵の気配を確かめようと耳を澄ませていると、突然襲われてびっくりすることも。逃げ切れたと思ったらドアノブをガチャガチャされるのも怖かった。なんならドア開けてくるしその瞬間(?!!)ってなります。
あとは敵に発見されたときにBGMが微妙に変化するのもいいですよね。見つかった後はひたすら逃げてBGMが収まるのを待つあの恐怖感よ…。大音量で驚かせるだけではなく、静かな時間にも常に不安を感じさせる音作りが上手いと思いました。
ステルスの恐怖とパニック感
本作のゲームの肝といってもいい、ステルス攻略がホラー体験としては面白かったです。
ただ私の操作がおぼつかなすぎてすぐ見つかってはダッシュして逃げてました。無様…。CRTVで敵の位置を確認してから「今だ!」と駆け出そうとはするんですが、操作にもたついている間に見つかってしまうんですよね…。CRTVでタイミング確認→CRTVをしまう(モタモタ)→走るためにしゃがみから立ちに移行(モタモタ)→ダッシュ!(ここで見つかる)という運動音痴をいかんなく発揮しながら攻略してました。
その後慌てて家へ逃げ込むんですが、扉を閉めようとするものの今度はドアを上手に閉めれず侵入を許したりとか…。ドアノブにしっかり視線を合わせないと閉じれないんですが、敵に追われてるときのパニックでそれどころじゃないんですよねwそんなわけで行き先がよくわからない状態で、敵が徘徊するエリアを探索するのがなかなか怖かったです。(行き先わかってても当然怖いんですが…)
操作の煩雑さは不満でもあるのですが、夫は普通にしていたので、慣れと私の操作センスの問題かもしれません…。ただ前述したように、ドアノブにしっかり視線を合わせないと扉がしまらないため、パニックになることで恐怖感が増してうまく閉められない…というゲームとしてのホラー演出は大成功してると思いました。
クリーチャーのデザインも不気味
登場するクリーチャーの種類はそれほど多くないものの、どれも不気味で怖かったです。どれも確かに異形なんですけど、人間部分を残したディテールなのですごい不気味なんですよね。
これについてはサイレントヒルシリーズを通した敵デザインの共通点だなーと認識しています。みんな妙に肉々しくグロテスクな造形っていうんですかね。バイオレベルにいくと「クリーチャーだなぁ」って感じるだけなんですが、サイレントヒルはそこの塩梅が絶妙だなーと思ってます。
気になったところ・不満だったところ
謎解きの難易度がとにかく高い!
本作で一番苦労したのが謎解きです。戦闘難易度は最も簡単な設定にしており、謎解きもヒントありでプレイしていました。それでも難しかったです。個人的にホラーゲーム(進行にアイテム集めあり)というよりも、謎解きゲーム(多大なホラー要素有)が正しいのでは?と感じるレベルで、謎解きがむずい…。
ちなみに私は決して謎解きが嫌いなわけではありません。苦労して答えがわかったときの満足感もありますし、頭を使って解く楽しさも大好きです!ただ本作は「そもそも何がヒントなのか分かりづらい」「何度も敵が徘徊する中ヒントを探し回る必要がある」「謎解き中にも敵が徘徊している」という感じで、謎解きパートに多大なストレスを感じる場面が多かったです。
特に印象に残った謎解きを挙げます。
薬局のロッカーの暗証番号
最初にかなり苦労したのが薬局のロッカーのパスワードです。ヒントはチューニングしたCRTVに映る映像なのですが…。私はこれが暗証番号のヒントだとはまーったく気づきませんでした!!
理由としてはここで初めてチューニングの調整方法の説明がでるんですよね。CRTVが謎解きのヒントになってることは今までもありましたが、なぜか今回だけサイモンが(この信号にはどんな意味が…?)と一瞬だけ小さく考えるんですよ。今までCRTV映像がヒントだったときはそんな事一切なかったのに。
だから逆に「どんな意味が…?って今回だけいうってことは、今回はチュートリアル用の映像であまり意味はないってことなんだな!」って勝手に解釈してましたww普通に映像がヒントだったwwなんで今回だけサイモン疑問を呈するのよww
パスワードのヒントは別にあると思いこんでいたので詰まる詰まる…。結局、先にクリアしていた夫にパスワードのヒントってどれなの??って聞いて解決しました。ヒントが見つからないというより、見ているものがヒントだと認識できなかった…。
患者編の血液バッグ
患者の容態はゾーイのカセットテープで確認できるものの、その情報がヒントとして記録されません。そのためテープの内容が謎解きに必要な重要情報だと気づかず、手元のヒントでも理解できなかった場合、もう一度患者の名前や容態を確認しに戻る必要があります。
そしてマップでは敵が徘徊しているため、その情報を再確認するための移動そのものがかなりのストレスになります。ステルスと謎解きの相性の悪さを強く感じた場面でした。
CEG本社の警備室のパスワード
ホワイトボードに書かれた内容がパスワードのヒントになっています。これも、ホワイトボードが重要な情報だと認識できなければ詰まります。何故なら病院内やCEGのいたるところにホワイトボードやら殴り書きのメモやらがいっぱいあって、それらは別に攻略に関係ないんですよね。背景といいますか。
実際、夫は単なる背景のオブジェクトだと思って見過ごしていたようで、ヒントに気づかずドアがあかないと詰まってました。ここは逆に私が解いたんですが、薬局の謎解きでは夫に助けてもらい、こちらでは私が夫を助ける形になったので、人によってヒントに気づくポイントが違うのが面白いなと思いつつ、気づけなかった場合一生詰むなと思いました。
遠隔システム制御コンソール
発売当初は操作説明が不足していたらしく、2026年10月8日のアップデートでマニュアルが追加された謎解きです。ヒント皆無時代にこの謎を解ききった人はやばくない??と思わされる謎解きの1つ。マニュアルのヒントさえあれば問題なくできますが、アップデート前にプレイした人は、相当苦労したのではないでしょうか…。
バルブ(補助ライン)
これは自力では解けませんでした…。こちらもアップデートによって配管レイアウトの変更などが行われているらしいので、もともとはさらに難しかったってこと…??ってなってます。

このバルブのパズルの唯一のヒントが

これですよ???まーじでわかんなかった。わからなすぎて夫にやってもらいました…。横パイプの白い線の数が1~3対応なのはわかりましたが…。縦パイプの1~3は何…?みたいな…。あとで夫に聞いたら「縦のラインはパズルに関係ない」とかいわれて横転。
難しい謎解きと、不親切な謎解きは別だと思う
本作でパズルが難解だなーと感じたのは、単純に知識やひらめきを要求する難しさだけではありません。人によってはヒントがあることに気づけなかったり、場合によっては必要な情報を何度も同じ場所に取りに戻らされたりする点が不親切だなと感じました。
特に、敵のいるエリアで謎解きのための探索をさせられると、考えることよりも移動や回避の負担が大きくなります。ホラーとしては怖くて面白いのですが、謎解きパートとして考えた場合かなりのストレスです。それがこのゲームのホラー体験なんだ!っていわれたらそれまでなんですけど…。
バイオとかと何が違うんだろうって考えてみたんですが、バイオ系は謎解きというか進めない場所があった場合は「バールのようなものが必要だ」とかいって「答え」を先に言ってくれるんですよね。んでそれを探しに行くというパターンが多い。かたやサイレントヒルは進めない場所があったら「道具がない」だけ言うんです。まずその道具が何かを教えてくれるヒントから探しに行くところから始まるので、難易度が高く感じるんだろうなと思いました。
ゲーム内資料の文字が小さすぎる!
個人的に最も改善してほしいと思った部分。それは!
とにかく!資料やヒントの!文字が!小さい!
字幕の大きさなどは変更できるのですが、ゲーム内で発見する資料の文字が小さく、しかも拡大できないんですよね。そして何行も黒地に白文字が狭い行間で続きます。そこそこ大きなテレビでプレイしてたんですが、画面にかなり近づかないと読めないことが何度もありました。

ちなみにこちらが適当な資料を開いた画面です。この小さな文字をパソコンの画面やテレビ画面でみるわけです。モニターやテレビサイズが小さい場合、かなりの読みづらさだと思います。眼鏡つけても視力が悪い私はともかく、視力0.9の夫でさえ読みにくいといっていたので、多分視力のせいではないはず…。
オプションで字幕以外にも、ここのフォントサイズも変更可能にしてくれたらよかったのになと思いました。ヒントがずれるとかの理由があって調節できないのはある程度は理解できるんですが…本作は資料を読むことで謎解きのヒントや物語の背景を理解するゲームです。それなのに、肝心の資料が読みにくいのは致命的では?と勝手に思っています。
結局私は攻略に不要そうな、ながーい資料はあまり読み込まないで進めてしまいました。その影響もあって、クリア時点では主人公の立場や重要な出来事を十分に理解できないままクリアした感じです。物語の全容を知るには資料をすべて確認する必要があるので、資料などの視認性についてはもう少し配慮してほしかったなーと個人的に思います。
CRTVを使っての索敵
CRTVを使った索敵は独特で、ホラー演出としては面白いシステムだなと思いました。しかし実際に使っているとかなり煩わしく感じる部分が。それは敵が複数いる場合、1体ずつチューニングを切り替えて場所を確認する必要があること!
近くにいる敵くらいは、まとめて画面に表示してほしかったです。敵の位置を確認するたびにカチャカチャとチューニングを変更しなければならず、マーキングなどもできないため次第に面倒になっていきました。でもステルス前提なので確認しないわけにもいかず…という…。
近接攻撃の距離感がわかりにくい
銃の操作については特に不満はありませんでした。一方でこれはもしかしたら私の感覚の問題なのかもしれませんが、近接武器は攻撃タイミングが直感と合わないことが多いです。
「今なら当たる!」と思って武器を振ると遅く、普通に攻撃を受けるんですよね。「この距離から振って当たるのか?」という距離感で振ったら当たる…みたいな。当たり判定そのものがおかしいのか、モーションの問題なのかはわかりませんが、近接攻撃の間合いをつかむまでに少し苦労しました。
マップが広い割に、通れない場所が多い
マップ自体はそれなりに広いのですが、最初からロックされている場所が多く、探索できる範囲は限られています。苦労して敵を避けながら移動しても、結局通れない場所・一生開かないダミー扉だったということがこのゲームは結構あります。
これがRPGとかなら全然いいんですけどね…。敵が徘徊する中パズルのヒントを探しに探検しにいかなきゃいけないので、移動で苦労する割に収穫が少ないという印象がとても強かったです。
登場人物は少ないのにストーリーが難解
本作は敵のバリエーションは多くありません。襲ってくるのは合計6匹だけという、なかなかミニマムなクリーチャー設計をしています。そして登場人物もサイモン、ゾーイ、リチャードの3人のみ。あとは文字だけの存在です。
こんな感じでゲームの構造自体はそれほど複雑でないにもかかわらず、ストーリーの解釈だけが非常に難解という、不思議なバランスの作品です(ストーリー考察については後半にまとめてます)
周回プレイと最強武器の相性が悪く、エンディングの違いも物足りない
本作には複数のエンディングがあります。しかし各EDの違いは最後の2分程度の展開が変わるのみ…。苦労する割に映像上の変化が少なすぎます。さらに、どのEDを見ても明確な説明がないため、ストーリーの疑問が解消されません。
2周目からは強くてニューゲームできるように、強力な武器(斧)が用意されてるんですが…。そもそもこのゲーム敵を倒す行動がEDの分岐条件に関係してくるため、強い武器を手に入れても、狙うEDによって武器がほぼ使えないんですよね。
最強武器って楽に周回するためにあるようなものなのに、それを封印しないと特定のEDがみれないのがなかなかつらい。最強武器もって全ED走るぜ!みたいな人とは最強に相性の悪いゲームシステムをしています。
2026年10月29日のアップデートについて
私がクリアした後、2026年10月29日にPatch 1.6.0が配信されました。このアップデートでは、一部の謎解きヒントやチュートリアル、アイテム説明文の調整、敵の感知範囲や難易度バランスの変更、全難易度でのマップ現在地表示などが行われたようです。
そのため現在のプレイ環境では、本記事で触れた一部の不便さや難しさが改善されている可能性があります。ただし、どの謎解きがどの程度変化したのか自分で比較したわけではないので、本記事の感想は、私が実際にプレイした当時の体験に基づいて書いています。
ここからストーリーのネタバレ・考察
以下はクリア後に調べた内容も含みます。作中で明らかになった事実と自分自身の解釈を区別しながら整理していきます。ただ探検が苦痛すぎてすべての資料を集められていない、集めても文字が小さくてすべて読めていない部分があるので、とんちんかんなことを言っている部分があったらご容赦ください~!
結局『SILENT HILL: Townfall』はどんな物語だったのか?
クリア直後、正直なところストーリーを十分に理解できていませんでした。サイモンが何者なのか、ゾーイはなぜ重要なのか、リチャードは何をやり直そうとしているのか。2回EDをみた今でも全然わかりません。主要人物の行動はある程度理解できたものの、全体の繋がりがわかりにくい。
その主な理由がおそらくストーリー全容を理解するためには、収集物を全部拾ったうえで、収集物に入らない会話なども隅々まで理解する必要があるという事。あと時系列がかなりあやふやな点が大きいと思っています。
とりあえずクリア後に一通りストーリーを確認してみたんですが、大まかには次のような物語だったようです。
もともと漁業が衰退していたセントアメリア島に、CEGという企業が進出。大企業がきたおかげで町が潤い始める。しかし設備の安全上の問題をリチャードが軽視した結果、石油関連施設のSWDPで大規模な爆発事故が発生。
サイモンはアメリカの安全管理会社に勤める保安検査官で、丁度SWDPの安全監査のために島を訪れていたところで事故に巻き込まれる。ゾーイによる救命処置を受けホテル204号室で5日間看病された結果、事故の唯一の生存者となる(重傷者として運ばれた人たちも最終的には亡くなり、生き残ったのはサイモンだけ)。そして意識を取り戻す前に本土へと移送されます。
その後サイモンは心臓移植が必要となりますが、その手配にリチャードが関わります。リチャードはその時の恩を利用して、サイモンにCEG側へ有利な虚偽証言を求めた(安全上の問題はなく、技師一人が起こした問題が発端として片付けようとした)、というのが物語の大まかな流れのようですね。
ただゲームスタート時(サイモンが島へ流れ着いた時)にすでに虚偽証言したあとだったのか、それともこれから行われる予定なのか。肝心のその部分が明確にされておらず、解釈が色々分かれているようです。そしてこの部分こそが、このゲームのストーリーを難解たらしめている部分ともいえます。
サイモンは何者だったのか?
プレイ中、私はサイモンをSWDPの職員だと思っていました。施設で働いているときに事故が起き、ただ一人生き残ったことで事故の真相を知っている人物になってしまった。そしてリチャードの指示で、事故の責任を別の人物に押し付ける虚偽証言を行い、それを後悔していると考えていました。
ところがクリア後にちゃんと調べてみると、サイモンは外部の安全監査に関わる人物だった。つまり事故の当事者であるだけでなく、本来は施設の安全性を確認する側の人間だったということですね。
さらにサイモンが心臓移植を受けていたことにも私は気づいていませんでした。ゾーイが行った処置はレントゲンや気道確保、輸血などの応急処置に見えたため、心臓移植が物語に関係しているとは当初気づかず…。EDでリチャードが心臓について自分の所有物のように話したときも、「お前の命が助かったのは私のおかげだ」という比喩だと思っていましたw資料をちゃんと読めって話ですね。
心臓移植の事情を知ってからは、サイモンがリチャードの要求を断りにくかった理由について少し理解が深まりましたが、そこで新たな疑問が生まれるわけです。
サイモンは結局、いつ虚偽証言をした(しようとした)のでしょうか?
虚偽証言はすでに行われていたのか?
サイモンが定期的に「おれにはできない」みたいな台詞をいうので、私はすでに虚偽証言をしているものと思っていました。そう思った最大の理由はCEGタワーでサイモンが虚偽証言している映像が流れることです。流れる映像を見たサイモンは「まて、よせ、だめだ…!」と発言した後、事故を予想できたかの質問に対して映像でのサイモンは「いいえ」と明確に答えています。
さらにリチャードも「二人で話し合って出した結論」という趣旨の発言をしていたと記憶しています。リチャードと合流後に見れるパソコンには「なぜあの男を勝たせたのか」というメールもあります。特にメール内容を真実として受け取るなら、サイモンが虚偽証言をしたことによりリチャードが勝った、と受け取れますよね。
なのでサイモンの「おれにはできない」っていう台詞は、「おれには(虚偽証言をしたまま過ごすことは)できない」という、心の葛藤の呟きだと思ってました。作中でサイモンが繰り返す「おれにはできない」という趣旨の言葉は、最初は虚偽証言を拒否する言葉だったが、後に「このまま真実を隠し続けることは(おれには)できない」という意味になったのではないか…と考えていました。
エンディングでサイモンはリチャードに虚偽証言をするよう迫られており、どうするかをサイモンは迷っている状態にみえます。なので時系列的に、目覚めたサイモンに虚偽証言をするようリチャードが迫っているこの場面は虚偽証言前。そして島のCEGタワーで見たサイモンの映像は虚偽証言をしている。だからリチャードに虚偽証言を迫られる→承諾して虚偽証言→自責の念に囚われたまま島へ迷い込む…という時系列にみえるんですよね。
だから島内でサイモンが言う「おれにはできない…」は、「おれには(虚偽証言をこのままにしておくことは)できない」という意味に見えます。
この島内での出来事は、サイモンが昏睡状態の時にみている悪夢…(そしてED分岐によって未来の選択がかわる)という解釈もあるようですが、それだと島内で起こった出来事のつじつまが合わなくなってきます。(ゾーイも過去は変えられない。ここはその後の話、みたいなことを言っているからには、証言した現実は変えられないという意味にとれます)
調べてみると、海外でもこの時系列については意見が分かれていました。虚偽証言前の葛藤を描いている説、虚偽証言後の後悔を繰り返している説、異世界で複数の時間が重なっている説などがあります。そしてどれが公式の正解なのかは今のところは確定しておらず、公式もそこの明言はしないようです。
ゾーイはなぜ重要人物なのか?
ゾーイの存在についても最後まで不思議に思っていました。というのも、ゾーイは単に過酷な状況下で人命救助に尽くした看護師にしか見えないんですよね。そんなゾーイがなぜループに囚われ、リチャードに目の敵にされているのか…という疑問でいっぱいなわけです。
事故によって大量の負傷者が発生し、医療現場は混乱しています。そんな中、上司のグレン医師からの高圧的な指示にも耐えながら、必死に島民を救おうとしていました。トリアージの記録もあったので、最初から救命が難しい患者も多かったのではないかと思います。
亡くなった患者の家族から責められる場面もありますが、ゾーイ自身にどこまで責任があったのかは疑問です。事故も大規模であり、死者88名、重傷者8名というメモがあるのをみるに、ゾーイ一人が手を尽くしてもほとんど死んでいた、もしくは死ぬレベルの重体患者だったことが想像できます。そんな中でパワハラなどに耐えながら懸命に看護していたあたり、むしろかなり不憫で気の毒な人物という印象でした。
グレン医師にも責任があるのでは?
個人的に気になったのは、グレン医師の存在です。ゾーイはただの看護師にもかかわらず、緊急事態の中で十分な支援を受けられない中、グレン医師にパワハラされながら患者たちの治療を行っていたことがわかります。
看護師が医師の指示の下で医療処置を行うこと自体が問題だというわけではありません。ただ、本作では看護師の権限の範囲を超えた医療行為を強制されているように見受けられます。その場合、指示を出す医師や医療体制にも責任があるはずです。それにもかかわらず、ゾーイばかりが責められ、自分自身も強い罪悪感を抱いているように見えました。
彼女は本当に罪を犯したのか、それとも他人の責任まで背負い込んでしまったのか。この違いは、作品のテーマを考えるうえでも重要だと思います。処方間違いはあったようですが、薬局で止まっているあたり患者までは届いていなかったのでは?とも推測できます。そもそもこの処方もゾーイが間違えたのか、指示した医師が間違えたのかも謎です。
重症患者が死んでしまったのも事故の規模的に彼女の責任にはあまりみえません。なので本当に彼女のミスで誰か死んでしまったのか?という疑問が残ります。グレン医師にはネグレクトでスチュアート氏を死なせたと責められていますが、これも本当かどうかかなり怪しいところです。サイモンを看病していた5日間、スチュアート氏を見に行けていないという意味でのネグレクトなのなら、病院にも代わりの者を派遣できなかったという責任が発生するはずだからです。
サイモンとの関係もよくわからなかった
ゾーイはサイモンを救命した人物です。しかし、なぜそこまで物語の中心にいるのかは最後まで理解できませんでした。資料ではゾーイとサイモンの関係性について重要視している節が見受けられますが、ゾーイがサイモンを看病していたのは5日間だけであり、しかもサイモンは昏睡状態であったためその間の記憶がありません。確かにサイモンの命を救った人物かもしれませんが、事故前からの知人と言うわけでもなく、事故後に事故について何か話し合った節も見えないため、ストーリーで強調されるほどの強い接点が二人に見つからないのです。
そしてもうひとつわからないのが、なぜゾーイもループに巻き込まれているのか?という点です。サイモンが彼女を巻き込んだことを謝っている発言があるため、ゾーイがループにはまっているのは自身の罪ではなく、サイモンのせいで異世界に囚われている可能性があるのではないでしょうか。ただこれについても憶測のみで、真偽がわからないんですよね。
リチャードは事故の責任から逃れようとした人物
リチャードについては、比較的わかりやすい人物でした。設備の欠陥を把握していたにもかかわらず、安全対策を軽視した経営責任者。事故が起きた後も、自分の責任を認めず、他人へ責任を押し付けようとしていた人物だと認識しています。
EDで「自分はあの場にいなかった」という趣旨の言い訳をしていたのも印象的でした。確かに現場にいなかったのかもしれません。しかし、経営責任者である以上、安全管理上の問題を把握していながら対策を怠った責任は消えません。リチャードは事故そのものの責任を取ろうとせず、サイモンを利用して責任を1人の技師に押し付け、保身を図っていた人物です。
ただしわからなかったこともあります。それはリチャードは作中で何度も、何かを正そう、やり直そうとしているように見える部分です。開始時点ですでに虚偽証言が終わっていたのなら、目的通りに事が進んでいることになるので、やり直したり正そうとしなきゃいけない箇所が見当たりません。
辻褄を合わせるなら、開始時点ではまだ虚偽証言がされておらず、改めてサイモンを説得するために「正しいことをしよう」「約束した通りに事を進めよう」と説得している状態。もしくは虚偽証言は済んでいるが、ループにはまってしまったため、改めて同じ手順を踏んで住人を納得させてループを脱出しようとしている、もしくはループ世界で事故をなかったことにできたら解決できるのでは?と考えている説ですね。
また、リチャードはゾーイの存在を認識しています。最初の時点ですでにサイモンに「彼女を追え」と指示しています。そして最後には彼女を撃つ場面があります。リチャードにとってなぜゾーイがそこまで邪魔だったのか??これも最後までわかりませんでした。
考えられるのはゾーイが何らかの真実を知っている、またはサイモンに強い影響を与えられる存在だから(そんな繋がりが強いようには見えませんが…)、またはループでまだ試せていない事が、同じループに巻き込まれているゾーイをなんとかすることだけだったのか…。ここも考察の余地がかなり残されている部分だと思います。
エンディングを見ても謎が解消されない
Abandoned(放棄)
私が最初に見たエンディングがAbandoned(放棄ED)でした。いわゆるバッドエンドですね。最後にサイモンがリチャードをフレアガンで殺してしまい、現実世界でもリチャードの首を刺して殺してしまうEDです。
夫がやってた1周目で最初に見たのがこの結末だったので、私はストーリーは全部繋がっているものと考えていました(マルチエンディングとは認識していなかった)。ゾーイはサイモンを5日間看病した後彼が突然いなくなったと語っています。なので私が考えていたあらすじは
- サイモンがリチャードを殺害(放棄ED)
- その後本土へ戻った(ゾーイ看病後に消えた)
- その後何らかの理由で再び島へ訪れた
…のではないかと思ったのです。時系列はEDが最初で島での話は最後だったという考えですね。なのでリチャードはすでに死亡しているものの、自分が死んだことに気づかず異世界に囚われているのではないか?と考えました。(時空間が歪んでるので死者がいても不思議じゃないなーと)
サイモンのリチャード殺害動機は心臓を交渉材料に脅されていたこと。かっとなってやった的な…。ただもしそうなら、サイモンはまだ虚偽証言していないことになります。だからあれ?作中と時間の流れが違う?矛盾がでるな?解釈が違う??となってしまいました。
Justice(正義)
その後の2周目ではJustice(正義)でクリア。いわゆるトゥルーエンディングですね。このEDでサイモンはリチャードの要求を拒む方向へ進みます。「おれにはできない」という言葉を、私は虚偽証言をすることはできない、という意味で受け取りました。
正義EDではループが終了して現実に戻った感じなので、サイモンが正しい道を選んだことにより、ゾーイも最後無事にループから抜け出せたようです。リチャードに刺されたサイモンがどうなったのかはよくわかりませんでしたが、人がバタバタ走ってくる音が最後聞こえるため、死亡はしていないと思いたいですね。その場にいたリチャードはさすがに言い逃れできず、結局何かの罪には問われたんじゃないでしょうか。
ただサイモンが虚偽証言を拒否した結果として刺されたEDの場合、当然時間軸がまだ変なことになるわけです。これでいくと島で事故にあう→5日間の看病の後、サイモンは意識不明のまま島から帰還→心臓移植された後、リチャードに虚偽証言するよう迫られて拒否→刺される という時系列になるわけです。
そうなるとサイモンたちが島でループにはまっていたのはどこの時点の話なのか?となります。可能性が高いのは、心臓移植したサイモンが、目を覚ますまでの間の時間軸です。昏睡状態の時にループ体験をし、最後に虚偽証言しないという選択を決意→目を覚まし現実世界に戻った→虚偽証言をする約束で心臓移植をしてもらったが、最後の最後にそれを拒否→刺される という流れです。
恐らくこれが一番しっくりくる時間軸なのですが、サイモンは病室でループしてたとして、リチャードとゾーイはどこでループしてたのか??ってなるんですよね。そして本人たちにその間の記憶があるのか。あるのなら病室に来た時のリチャードは何も知らないという感じですし、逆にゾーイは全てを納得したうえで部屋を出て行ったように見えます。
裏世界のゾーイとリチャードはあくまでサイモンの夢に出てくる空想であり現実世界の2人とリンクしてない…とも考えましたが、そうなるとサイモンが知りえない、二人しか知らない情報がゲーム内で出てくるのはおかしくなります。なのでやはりサイモンが目を覚ました時点で、二人もループから抜け出し現実世界へ帰れた、と考えるのが正しいんでしょうが…。
この、「3人がいつループの世界にはいってしまった」のかが、このゲームストーリー最大の謎であり、そこがわからないために時間軸が確定せずストーリーが難解になっている最大の要因だと思っています。
Forever(永遠)
Forever については走りなおす気力がなかったので映像でEDを確認しました。サイモンを手術室に運んだゾーイが、サイモンに「大丈夫よサイモン。どこへも行かないから」と言う台詞が印象的なEDです。
ゾーイがサイモンを手術室に運んでいるということは、二人はループ世界から抜け出せていないということです。そしてこの「どこへも行かない」という発言をしたせいで、私はゾーイがループに巻き込まれてしまったのではないか、と考えています。
ゾーイは終始「もう一度なんてむり」と言っているので、ゾーイのループ世界では爆発事故がおきたときから世界がループしているのではないか?(何度も患者を助け、何度もサイモンの処置をしているループ。なのでまた同じことをするのは耐えられない、と言う意味でのもう一度なんてむり発言)
なのでループ前の現実世界でもサイモンに、「どこへも行かない」と実際にゾーイは言っていたのではないでしょうか。最初に「どこへも行かない」と言ってしまったせいで、ループ世界に引きずり込まれてしまったのではないか?と私は考えています。
ただ別の見方をすればこのEDではループを抜け出せていませんので、永遠に続くこのループ世界においてもずっとサイモンのそばにいる決心をしている、ともとれますね。これは人によってかなり見解が違う箇所なのかなと私は思っています。
EDの違いが少なく、達成感も乏しい
個々のエンディングには、それぞれ異なる意味があるのだと思います。最初はEDが繋がっている(EDをみればストーリーの全容がわかる)と考えていましたが、どうやらそうじゃなかったようですね。結果としてマルチエンディングだったため、見るEDによってストーリー解釈が分かれるという仕組みでした。
問題なのは各EDの映像の違いがわずかすぎるということ…。そしてどの結末を見ても、物語の真相が明確になるわけではありません。苦労してEDを回収しても、相違点が最後のムービー2分程度で、物語の疑問点も解消されないまま終わってしまいます。これがクリア後に達成感をあまり得られないと感じる理由ですね。
サイモンはどうやって島へ戻ってきたのか?
もうひとつ気になったのが、サイモンが島へ戻ってきた経緯です。ゾーイとリチャードは島に関わりの深い人物なので、島にいるときにそのまま異世界に囚われてしまったと考えられます。しかしサイモンは一度島を離れています。それなのになぜまた戻ってきたのでしょうか。
リチャードに呼ばれたような描写がありますが、実際にはどのように島へ来たのでしょう。冒頭では海から漂着しているように見えます。船で来たのでしょうか。それとも、島へ向かう途中で異世界に取り込まれたのでしょうか。あるいは、そもそも現実世界での移動ではなく、これもループの一部で現実世界では病室にいるままなのでしょうか。
この点も、明確な説明を見つけることはできませんでした…。何もかも謎だってばよ…。
クリーチャーは何を表していたのか?
本作のクリーチャーは、単に不気味な敵というだけでなく、事故の犠牲者や登場人物の罪悪感を表しているようにみえます。
クリーチャーは事故の犠牲者?
まず、どの敵も焼けただれたような皮膚をしています。これは爆発事故に巻き込まれた火傷のせいではないでしょうか。作中では住民の怒りや監視を思わせる発言がありますが、実際にゲーム内に住人は一人も出て来ません。そのため住人=徘徊しているクリーチャー達のことを指しているのではないかと考えられます。
ランジャー(突進する者)
頭に鉄板みたいなものが突き刺さっている、最初に遭遇する敵ですね。名前の意味は「突進する者」。体に鉄板が突き刺さっているため、爆破により建物に押しつぶされた作業員、もしくは建物の落下物が体に突き刺さって助からなかった人なのではないかと考えています。
ソロウフル(悲しさ)
胸から点滴のようなものを使って攻撃してくる敵です。そのため病院に運ばれた元患者が原型ではないかと考えています。名前は「悲しさ」を意味するようなので、処置を受けたが助からなかった悲しみからきているのではと思っています。
モーションレス/フォールン(動かない/落ちた)
空からいっぱい降ってきた敵ですね。道に横たわっているのがモーションレス、ダッシュで這い寄ってくるのがフォールンです。モーションレスは「動かない」、フォールンは「落ちた、落下した」が名前の意味なので、名前の通り事故現場で火災から逃れるために飛び降りた作業員たちが原型ではないでしょうか。どちらもHPがごくわずかしかなく、すぐ死んでしまうため、飛び降りて瀕死になった、すぐにも死んでしまう命、という印象です。
ウィドウ(未亡人)
リチャード編でだけ登場する敵ですね。名前の意味は「未亡人」。倒したウィドウをよくよくみると、人間の写真のようなものが体に貼られていることがわかります。なので事故で家族を失った遺族(未亡人)の怒りが原型のクリーチャーじゃないでしょうか。体に貼られている写真は本人ではなく、事故で亡くなったCEG、もしくはSWDPの人たちの写真だと思われます。だからウィドウはリチャード編でしか出てこないのではないでしょうか(家族が死んでしまった怒りの矛先が会社であるため)
ウェイト(重荷)はサイモン自身
最後まで倒せない敵がウェイトですね。基本倒せないのでサイレントヒルシリーズで言う三角頭ですね!
ウェイトはサイモンが最後にとどめを刺そうとしたときに、皮膚の隙間から顔や瞳が少し見えます。その顔がサイモンと同じに見えること、倒すためにウェイトの体から輸血用スタンドのような器具を3本引き抜く必要があること。そして名前の意味が「重荷」であること。
これらからウェイトはサイモン自身が原型であると考えられます。サイモンは3人から輸血を受けていたので、3本の輸血用スタンドが刺さっている。そして事故現場で唯一生き残ってしまった罪悪感、虚偽証言をしようとしている重荷が可視化されている姿なのではと考えています。
最後の場面でサイモンは、ウェイトの正体が自分であると理解し、とどめを刺すのをやめました。それまでは自分を襲う敵として認識していましたが、ウェイトは自分自身なのだと理解したことにより、最後は自分の罪を受け入れて前に進むことを選んだのだと思われます。
コラプス(崩壊)
あのでっかい4本足のやつですね!名前の意味は「崩壊」です。EDの最後にサイモンが、リチャードの処遇について「彼らに渡す」と発言しており、フレアガンを撃つとコラプスがくるため、町そのもの(住人達の怒り悲しみ)が原型である可能性が高いです。
そしてどのEDでもコラプスはリチャードを許していないように見受けられるため、リチャードのいう「これが正しい。これが町のため」という言い分には町の者は全く納得しておらず、賛同もしていないということではないでしょうか。正義EDを見る限り、町の人々が本当に求めていたのは「真実」。つまり爆発事故は部品の欠陥により引き起こされたことを公表する事…だったのではないでしょうか。
『Townfall』というタイトルの意味
「Town」は町、「Fall」は崩壊や没落を意味する言葉です。そのため、『Townfall』は「町の崩壊」という意味になりますね。作中のセントアメリアは、CEGの進出で一時的に発展したものの、町の経済はCEGに依存していました。そこへ爆発事故が起き、水質汚染による漁業や観光の衰退、医療体制の崩壊によって追い詰められた町です。なので町そのものがタイトルになっている感じだと私は解釈しています。
本作が伝えたかったことは何なのか?
個人的には、「罪や罪悪感から逃れることはできない」というテーマだったのではないかと感じました。
サイモンは、自分が罰を受けているという趣旨の発言をしています。リチャードは責任逃れを続け、サイモンは虚偽証言への後悔に苦しんでいる。そして、ウェイトの正体を認識したサイモンがとどめを刺すのをやめたことも、罪を受け入れるというテーマにつながるように見えました。
ただ、そう考えるとゾーイの存在が引っ掛かります。ゾーイはいったい何の罰を受けているのか?本当に重大な罪を犯したのか?あるとすれば救えなかった人々への罪悪感で自分自身を責め続けていることなのか?
もし実際の罪ではなく、罪悪感を抱いていること自体が異世界に囚われる理由なのだとすれば、ゾーイが苦しんでいることにも説明がつくかもしれませんね。なんにしても作中一番不憫な人物であることは間違いなさそうです。
考察の余地があるのはいいけれど、曖昧すぎるとも感じた
サイレントヒルシリーズは、プレイヤーに考察を委ねる物語も魅力のひとつだと思います。しかし、本作は少し曖昧にしすぎているようにも感じました。
サイモンはいつ虚偽証言したのか。ゾーイはなぜループしているのか。リチャードは何をやり直したいのか。サイモンはどうやって島へ戻ってきたのか。病室は現実なのか。時間軸はどうなっているのか。どのEDを見ても、これらの疑問に明確な答えがだせません。
考察の余地があること自体は悪くありません。ただ、何が起きたのかという基本的な部分まで解釈に委ねられると、結局どの解釈も成立してしまいます。「好きに解釈してください」という作品はありますが、本作はその度合いが少し強いため、「結局なんだったんだ?!!」ってなる人が多いようです。(私もその一人ですがw)
まとめ:ホラーとしては傑作。でも人を選ぶ作品
『SILENT HILL: Townfall』は、恐怖演出や音響表現については非常に優秀な作品でした。敵を避けながら探索する緊張感や、静かな環境の中で聞こえる不気味な音、突然の襲撃など、ホラーゲームとしての完成度はとても高いです。
一方で、謎解きの難易度が非常に高い。何回もアプデで修正されているのをみるに、私個人がそう感じているだけではなく一般的に見ても高い水準であることがわかります。操作の煩雑さやゲーム内資料の読みにくさなどの不満もあります。そして、ストーリーもかなり難解です。クリア後にいろいろ調べて人物の関係性はある程度理解できましたが、物語の時系列や異世界の仕組みなど、最後までわからない部分も多く残りました。
ホラー体験そのものを楽しみたい人や、難しい謎解きが好きな人、ストーリーをじっくり考察したい人には良い作品だと思います。しかし、ホラーゲーム初心者、謎解きが苦手な人にはおすすめしにくい作品ですね!特に最も簡単な難易度と謎解きヒントありの設定でやっても、なかなか苦労をします。
ただなんかスルメ的にやりたくなる感じもあって…(最強武器もって走る前提ですが)。とても人を選ぶ作品なのではないかなと思いました!!ホラーが好きな人には超絶おすすめできる一本なのは間違いありません!
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