2回は見てほしい映画「ゲット・アウト」 感想日記

基本情報
タイトル:ゲット・アウト(原題:Get Out)
公開年:2017年
上映時間:103分
ジャンル:ホラー、スリラー
監督:ジョーダン・ピール
出演:ダニエル・カルーヤ / アリソン・ウィリアムズ / キャサリン・キーナー
公式サイト:ゲット・アウト 公式サイト
Wikipedia:Wikipedia
最近アマゾンプライムに「ゲット・アウト」が追加されましたね。ずっと見たいと思っていたのでこれを機に視聴してきたんですがかなり面白かったので、久しぶりの映画布教日記となります。
作品のあらすじ
ニューヨークに暮らすアフリカ系アメリカ人の写真家クリスはある日彼女であるローズの実家へと招待される。自分が黒人であることを家族に伝えていないローズに若干の不安を感じつつも実際着いてみると逆に過剰な歓迎を受けることとなる。
しかし「黒人を差別していない」というローズ一家であるが黒人の使用人がいること、そして二人の挙動がおかしいことにクリスは妙な違和感を覚え始める。その翌日クリスは亡くなったローズの祖父を讃えるパーティに成り行きで出席することになるが、そのパーティも何故か白人ばかりで違和感は募る…。ようやくパーティで黒人を見つけ安心したものの、やはりその黒人も様子が変で……。
という、ホラー映画です。ホラー映画のくくりに入ってますがグロ系やドッキリ要素はあんまりありません。じゃあ何が怖いのか?ってなるんですが、「人間が一番怖い」って感じさせてくれるホラー映画です。
監督のジョーダン・ピールはなんとこれがデビュー作!
監督のジョーダン・ピール氏について調べてみたら映画監督はこれが初作品で今まではコメディアンをやったり俳優をやったりしていたようです。コメディについては「Mad TV」のキャストとして5シーズン登場し「Key&Peele」では脚本やら製作総指揮も務めたようです。
俳優業については「キアヌ」っていう映画に主演で出ています。実はこの映画もめっちゃ気になっているのでいつか見たいんですよね。
ていうのも見ての通り猫モノなんですよね!!あらすじは確か盗まれた子猫を救うために二人でギャング団に潜入してドタバタするコメディ映画だったと記憶してます。
少し脱線してしまいましたが要は今回のこの映画が監督デビュー作ということです。にも関わらず全米2781館で公開され、初週末に3337万ドルを稼ぎ出し週末興行収入ランキング初登場1位となるヒット作となりました。更に批評家たちの評価も非常に高いです。
最初「どうせただの話題作でしょ?」と思ってみてたんですが興行収入ランキング1位、そして評価が非常に高い理由がわかりました。色々と作りこまれていて本当にすごい作品でした。
キャストについて
主人公を演じるのは「ダニエル・カルーヤ」という俳優さん。あんまり聞きなれない名前なのでこちらも調べてみたんですが9歳の頃から主に演劇やドラマに出演していたようですね。
その後短編映画、長編映画にもちょいちょい出るもののヒット作はでず。ただ「ブラックミラー」に出演した際にジョーダン・ピール監督の目にとまりその演技力を買われて今回のゲット・アウトの主演に抜擢されたようです。演技力を買われただけあって、無言の演技でも表情豊かです。ちなみにゲット・アウト以降の作品だと今年上映された「ブラックパンサー」にも出演しているようですね。
こちらも興行収入がアベンジャーズを超え史上最高の興行収入をたたき出したらしいので興味ある方はこちらのヒット作もみてみるとより彼の演技力がわかるのではないでしょうか。
まずはネタバレなしの映画感想
・黒幕の正体が終盤までわからない
大体のホラー映画は黒幕の幽霊だったりクリーチャーみたいなものがいて「こいつがやばい!!」って最初からネタばらしされている事が多いと思いますが、ゲットアウトは上映当時から「なにかがおかしい」という宣伝文はあるものの「何が」おかしいのかは教えてくれないんですよね。
上映当時も今も一番印象に残る予告ムービー部分

大体の人がこの黒人家政婦ジョージナの場面を思い浮かべると思います。彼女は言葉に言い表せないような奇妙な恐怖感を煽ってくるんですが「何かおかしい」と感じるものの「何がおかしい」のかは映画をみるまでわからないんですよね。
・ネタバレなしでまずは1回。
そのためこの映画はネタバレを一切見ずに見てほしい映画の一つといえます。そして映画終盤で「違和感」の存在を確認出来たら是非とも2回目をみてほしい。
・ホラーが苦手でもわりと大丈夫
冒頭のほうでもちらっと書きましたがホラー映画ですがドッキリびっくりなスプラッターホラー要素は一切なく(後半ちょっと血がでたりなんやかんやはありますが)目に見えない幽霊だったり殺人鬼だったりもでてこないのでホラーが苦手な人でもわりと楽に見れる作品じゃないかなと思います。

・後半30分から作品の全容が見えてくる
ゲットアウトは前半が全て伏線で後半の30分でネタばらしをし始めます。そして実は最初の1分めから既に伏線が張られているような状態で始まるため後半にいくにつれて「あああ!!なるほどー!」ってなったり「あの時の行動理由・場面はこういう意味だったのかー!」とアハ体験ができます。
特に後半10分は「アー!!オマエー!」ってなるので是非見てほしい。
ここからはネタバレありの感想
以降ネタバレありでの感想となります。この映画はネタバレなしでみるのが一番楽しいので見る予定の人はご注意。
・主人公に引けを取らない家政婦さんの演技力の高さ
今作で特に不気味に映る人物は終始満面の笑みを浮かべてる家政婦さんだと思うんですが丁度終盤に差し掛かったあたりにクリスが「時々白人だらけで神経質になるんだ」と発した後の

この後の顔。一瞬真顔になり、何かを言いかけてまた笑顔に戻る部分ですね。
この時点で「この人は洗脳されていて主人公に何か伝えたかったのでは?」って感じさせるんですが、結果は当たらずも遠からずでしたね。そして終盤10分のローズが発した「おばあちゃん」…。台詞見た時「オバーチャン?!」って言っちゃいましたよねw
・ウォルターの表情の違いも見もの
その後ウォルター(庭の管理人)が追いかけてくるわけですがもうこの時点でわかりますよね。「おじいちゃん」って。

フラッシュを当てられた後のこのウォルターの表情で「今はおじいちゃんではなく中の人が表に出てきている」ってのがわかるのもすごいなと思いました。

この時のニタッとした笑いとは大違いである。その後自殺してしまうわけですが生きてても地獄しか待っていないため気持ちはわかる気がします。
・二人の正体がわかったことで繋がること
この二人の正体がわかったことでここで色々繋がってきますね。

ジョージナを紹介する際「母が愛した台所」とディーンが紹介しますがこれはまんまその意味だったということです。
この時喋った英語を直訳すると「母はキッチンが好きだった、だから彼女の一部をここに残してある」ってなるらしいんですが、「彼女の一部」というかまさにおばあちゃんを黒人に入れてここに残してあるという事実が示唆されているのがわかります。
おじいちゃんについても「昔オリンピックの最終選考で黒人のJ・オーエンスに敗北」という紹介の時の「父上は落選を…」という会話のあとディーンは「ほぼ立ち直った」と返答をします。この会話も「立ち直っていた」という過去形ではなく今起きている事にとらえられるため「今は黒人の身体で走り回ってほぼ立ち直った」ということが暗にわかります。

・ローズの秘密の小部屋を開けたのは誰か
これはもう家政婦さんのジョージナでしょうね。ジョージナは冒頭で一瞬一点をみつめてぼーっとしたり(この時も真顔に近い)クリスとの会話の中でも一瞬我を取り戻し何かを伝えてこようとしています。この小部屋の存在も家を掃除している彼女ならきっと存在を知っています。おばあちゃんが不安定な隙に彼女がクリスに真実を知らせようとしていたのでしょう。結果クリスはローズに不信感を抱き脱出を試みようとしました(失敗しましたが…)

・ビンゴ大会の中身
無言で行われるこのビンゴ大会はなんだ???って最初思ってたんですがこれクリスの身体を誰が乗っ取るか競り落としてただけなんですね。
パーティの最中色んな人にゴルフはやるのかだの筋肉はどうのだの話しかけられますがようは品定めされていたというわけです。そして最終的に競り落としたのはあのベンチに座ってた盲目のおじさん。クリスの写真のファンだとビンゴ大会前に言っていましたので乗っ取る理由も「君の眼で世界が見たい」というのは納得のいく理由ともいえます。
・冒頭の黒人誘拐のシーンはなんだったのか?
映画を見終わるまでスッカリ冒頭のこのシーンを忘れてたんですが

このマスク

冒頭のこの誘拐シーンで使われていたマスクだったんですね。そして車はローズの白色の車。
家族で食事をした際弟のジェレミーがクリスにヘッドロックをかけようとしてましたが冒頭の誘拐では締め上げて気を失わせた後誘拐しているためこの時の誘拐犯はジェレミーということになります。
私はまったく気づいてませんでしたが勘のいいひとは食事会の時点でジェレミーを疑えてたことになりますね!
結末は2種類ある
ゲットアウトは結末が2つ用意されてるみたいですね。用意されているというか、没になった結末が円盤特典として収録されてるようです。
結末の内容はラストに親友の助けは来ず代わりに本物の警察がきてクリスを逮捕するという話の模様。つまりバッドエンドですね。ただこれではあまりに救いようがないということでやめたそうです。個人的に監督のこの判断は英断だったと思います。
エンディングで個人的にうーん??ってなったのは親友のロッドの登場の仕方ですね。「よく見つけたな」という問いに「俺は運輸保安庁野郎だぞ」と返しますが運輸保安庁に個人を特定できる機能と権限ってあるの?ってかなり疑問でした。
運輸保安庁は主に空港における安全保障や航空機のハイジャック防止など輸送手段を保護するための政策を策定し実施することが主な任務なんですよね。高速道路やその他交通のパイプラインなどの公共交通システムの監督業務にも従事してますが今も基本は空港警備が主なお仕事となっています。
上司には笑い話にされていたので組織ではなく個人で場所を特定したのでしょうが普段外の警備をしてるロッドがそこまでの権限があるようには見えないんですよねぇ。それが一体全体どうやってクリスの場所を突き止めたのか??個人的にここだけ解せなくてひっかかりました。
まとめ
上記に書いたこと以外にも
・所々でてくる鹿は何を意味しているのか
・鹿を轢いた後の警官が求めた身分証の提示を拒否った理由
・銀のスプーンの意味
・耳に詰めてた綿の意味
・ジョージナが注いでいた紅茶について
などなど…かなり事細かにレイシズムや物語に絡んだ設定がちりばめられています。
それらを全て踏まえて映画を見ると最初から最後まで伝えたいことにまったく無駄がない作品となっています。その所が批評家たちをうならせている点なんじゃないかなーと思います。
そして何も知らずに見た1回目と全てを知ってみる2回目ではまた映画の景色がかわってきます。本当に2度おいしい、完成度の高い作品だと思いますので興味のある人、特にアマゾンプライム会員の方は今無料で見れますので是非是非一度視聴してみてください。
© Universal Studios
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